(ブルームバーグ): ブラックストーン・グループのバイロン・ウィーン氏は、S&P500種株価指数が最高値付近で推移する中で、米国株はこれ以上の上昇が見込めないような水準に達しているとの見方を示した。投資家に対しては、さらなるドル安に対するヘッジのため金を買うよう勧めている。

  ブラックストーンのプライベートウェルス・ソリューションズ・グループ副会長を務めるウィーン氏はブルームバーグテレビジョンとラジオとのインタビューで、経済は勢いの維持で政策支援に依存しており、活動は2019年の4分の1程度の水準と、全面的な回復からは程遠いと指摘した。

  これはドル安が進み続けることを意味するとし、米財政赤字は対国内総生産(GDP)比20%に拡大し、米連邦準備制度のバランスシートは現在の約7兆ドルから9兆ドル(約960兆円)に膨らむだろうと予想した。いつごろまでにそうなるとみているのかは明らかにしなかった。

  株式相場の3月安値からの上昇については、テクノロジーやその他の成長企業が中心だったと指摘。これら銘柄の一部はバリュエーションが既に2年先の利益を反映する水準となっていると述べた。

  ウィーン氏は「弱気相場が終わり、リセッション(景気後退)が終わった時にS&P500が今日の水準よりも高くなっていると想像できるが、基本的には現時点で完全に織り込んでいると思う」と語った。ドルに対する懸念は多額の財政支出やアジア・欧州に劣る新型コロナウイルス危機対応と回復が、「米国例外主義」という考え方に疑問を投げかけていることが一因だと説明した。

  モルガン・スタンレーの元ストラテジストであるウィーン氏(87)は1986年から毎年「びっくり予想」リストを公表してきた。今年1月の予想ではS&P500が年内に3500を突破すると予測した。

ウィーン氏の20年びっくり予想、S&P500種3500突破や米利下げ

  12日の取引でS&P500は一時1.6%上昇し、2月19日に記録した終値ベースの最高値3386.15を上回った。3月の安値からの上昇率は50%を超えた。

【米国市況】株反発、S&P500種は終値での最高値を一時上回る

  ウィーン氏は「ドルは下落しており、それに対する防御方法の一つは金を保有することだ。今年はポートフォリオに入れるのに良い資産となっている」と指摘。「私はいくらか自分のポートフォリオに入れており、個人投資家が持つことは理にかなうと思う」とした。

(最後段落に金に関するコメントを追加して更新します)

©2020 Bloomberg L.P.