(ブルームバーグ): 香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで10日に逮捕され、その後保釈された香港メディア界の大物で民主活動家の黎智英(ジミー・ライ)氏は13日、これほど早い時期の逮捕は意外だったと話した上で、国安法の脅威にもかかわらず支持してくれた市民に心を動かされたと述べた。

  黎氏は自身が創業した香港紙・蘋果日報(アップル・デーリー)がライブ配信した対談で、「国安法に対する国際社会の反応は強く、中国が同法の施行は失敗だったことを認識していると私は考えていたので、これほど早く逮捕されるとは予想していなかった」と説明した。

  逮捕後の蘋果日報の購入急増と同氏が経営するメディア企業の壱伝媒(ネクスト・デジタル)株価急騰で報道の自由を支持してくれた香港住民に心を打たれたとも語った。

  黎氏は「香港市民の感情に圧倒された。私の逮捕に関して相当な怒りを覚えているのは明らかで、われわれを支援するためさまざまな手段を使ってそれを示してくれた」と話し、「われわれは皆、息苦しさを感じているが、それでも互いに相手を思いやっている。法の支配と自由のため、抵抗と闘いを続けよう」と表明した。

2日で1100%超上昇の香港ネクスト−市民が抗議と連帯示す

  黎氏を逮捕した警官は全て現地の要員だったように見えたため、現時点では中国共産党の影響下にある裁判所での公判のため本土に送られるという心配はなかったとしながらも、中国当局から国家安全を著しく脅かしたと判断されればそれも変わるかもしないと述べた。

  一方で、同氏は「中国はあまりにも大きく、世界は中国との対立を望んでいない。中国と毎回対峙すれば世界にマイナスの影響が及ぶ」とし、「中国は世界の文明的価値とは異なるような価値を用いており、世界は中国の振る舞いと国際社会への態度を変えたいだけだ。われわれが変えなければ、世界で平和は実現しない。だから人々は『新冷戦』を口にしているのだ」とも語った。

米中「新冷戦」の最前線で衝突リスクも−南シナ海で両国の行動活発化

©2020 Bloomberg L.P.