(ブルームバーグ): 人類の新型コロナウイルスとの闘いは、たとえワクチンが開発されても長く続くと、公衆衛生や薬学の専門家は指摘する。

  もちろんワクチンは感染防止に寄与すると予想されるが、インフルエンザなどのように新型コロナの流行が時折発生し、闘いが終わることはない可能性が高い。

  世界保健機関(WHO)のチーフサイエンティスト、スーミャ・スワミナサン氏は、ブルームバーグ・プログノシス主催の「新型コロナが世界の医療エコシステムをどう変えるか」と題するイベントで、「われわれは新型コロナウイルスが近いうちになくなることはないと承知している。このウイルスは根を下ろしており、拡散可能なところはどこでも広がるだろう」と発言。「われわれはこれと共存しなければならないと分かっている」と語った。

  人類のウイルスとの闘いの記録は芳しくなく、これまで根絶できたウイルスは天然痘の1種だけだ。残りのウイルスは流行発生時に対応することで何とか抑え込んでいる。

  スイスの医薬品メーカー、ノバルティスのバサント・ナラシンハン最高経営責任者(CEO)は、「現実的に期待できるのは、薬とワクチンを組み合わせることによって、感染拡大が抑制可能になる安定した状態に到達し得るということだと思う」と指摘。新型コロナを根絶できる可能性は低いとした。

  WHOが13日に公表したレポートによると、現在、ヒトへの治験が行われている新型コロナワクチン候補は29種類だ。開発ラッシュにより、実用化までの年数が短縮される可能性はあるが、当初の接種は医療関係者と高リスクの人に限定される可能性が高い。一般の人が接種を受けられるのは来年中になる見通しだ。

  ナラシンハンCEOは、「長く待てば待つほど、ワクチンに関する知識は増すだろう」とし、「来年末までに安全で有効なワクチンが幅広く利用可能になると自信を持っている」と述べた。

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