(ブルームバーグ): 中国の通信アプリ「微信(ウィーチャット)」の米国内での使用停止を目指すトランプ政権の措置について、米連邦地裁は19日、一時差し止めを命じた。

  サンフランシスコの連邦地裁のローレル・ビーラー判事は、同アプリに依存する米国内の多数の中国語話者の言論の自由を侵害するとしてこの措置を訴えたユーザー団体の主張を認め、仮の差し止め命令を出した。同アプリは20日夜に米国内のアップストアから除外されることになっていた。ユーザー数は米国内で1900万人、世界で10億人に上る。

  今回の判断は、トランプ大統領が国家安全保障上の懸念を理由に使用禁止対象とした中国系アプリのウィーチャットと、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」がいずれも直ちに利用不可能にはならないことを意味する。

  ビーラー判事は、20日早くに公表された仮差し止め命令で、ウィーチャットが「米国内の中国語話者と中国系米国人の仮想公共広場として機能し、実際に唯一の通信手段だ」と述べ、それを事実上禁止すれば「彼らの社会のコミュニケーションへの重要なアクセスを排除し、それによって彼らの言論の自由の権利に対する事前抑制となる」と指摘。政府が提示した安全保障上の脅威の証拠は不十分との認識も示した。

  司法省と商務省に取材を試みたが返答はない。政府は今回の判断について上訴する公算が大きい。

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