(ブルームバーグ): 東京五輪・パラリンピック組織委員会と国際オリンピック委員会(IOC)は25日、来年の東京大会では大会関係者の人数やサービスの合理化、大会を盛り上げるイベントなど52項目を費用削減目標の対象として簡素化することで合意した。  

  両委員会は、24日から2日間にわたって大会簡素化に向けた「調整委員会」を開催。委員会後にオンラインで会見したジョン・コーツ委員長(IOC副会長)は、ポストコロナ時代にふさわしい簡素化された「新しい大会」になると確信していると説明。聖域なしの前提でさらなる費用節約、効率化・改善を大会開催時まで検討し続ける考えも示した。

  会見に出席した大会組織委員会の森喜朗会長は、今回の合意を踏まえて簡素化による削減額を速やかに試算し、暫定的な概算値について10月の次回IOC理事会への報告を目指したいと語った。

  大会組織委の武藤敏郎事務総長は、新型コロナウイルスと共生する新たな世界で「一つのロールモデルを示すことが東京大会のレガシーになる」と説明。簡素化という「単なる経費節減ではなく、それを超えて新しい概念を作りつつある」と語った。さらに、今回の削減項目には盛り込まれなかったものの、開会式と閉会式も「お祭り騒ぎ」にならないよう見直しに動いていることも明らかにした。

  東京五輪の開催延期を3月に決定して以来、組織委は来年7月23日の開幕を目指して会場の再手配や運営簡素化項目の洗い出しを進めてきた。簡素化の具体項目が決まったことで、今後は延期による追加費用の算出や、スポンサー企業と契約延長に向けた本格的な交渉に入る。

  武藤氏によると、68のスポンサー企業からは12月に期限を迎える契約の延長について「理解は得られている」ものの、更新されている状態ではないという。観客については、各種スポーツイベントの開催状況を見極めながら議論するとし、検討は「まだ先になる」と指摘。五輪の基本である選手や競技の数は守るべきもので、削減の対象とはしないと述べた。

  各省庁や東京都などと大会時の新型コロナウイルス対策を議論しており、今年末までにはアスリートや会場での感染防止策の中間報告をまとめる。組織委は12月20日ごろをめどに延期五輪の収支計画を公表する予定。大会延期決定前の経費は、1兆3500億円だった。

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