(ブルームバーグ): トランプ米大統領は26日、連邦最高裁判所の判事にシカゴの連邦高等裁判所判事であるエイミー・コニー・バレット氏を指名すると発表した。自身の再選がかかる11月の大統領選を数週間後に控え、世論調査で不利とも伝えられる選挙戦での巻き返しを図った。

  バレット氏は敬虔(けいけん)なカトリック信者として知られ、人工妊娠中絶については「常に不道徳なもの」だと考えてきた。上院で承認されれば、ルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判事の死去によって生じた空席を埋めることになる。リベラル派の象徴的存在であったギンズバーグ氏とは対照的に、保守派のバレット氏(48)の就任は最高裁の右寄りシフトを長年にわたって強固にする可能性がある。

  トランプ大統領はホワイトハウスで行われた式典で、「今日、米国で最も優れた才能を持つ法律家の1人であるエイミー・コニー・バレット判事を最高裁判事に指名するのは名誉なことだ」とし、「バレット氏は卓越した知性と気質を備えた女性であり、この職務に極めて適格な人物だ」と語った。

  バレット氏は大統領と共に臨んだ式典で、故ギンズバーグ判事について、女性のキャリアを妨げる「ガラスの天井を突き破っただけでなく、粉々に砕いた」と敬意を表した。その上で、上院で承認されれば、「職務遂行に全力を尽くすことを約束する」と述べるとともに、「先人のことを心に留める」と話した。

  上院で過半数を占める共和党は11月3日の大統領・議会選前にバレット氏の指名承認の採決を早急に執り行う方針を表明しており、大統領の正式な指名発表により上院での与野党対立は先鋭化することになる。ただ、民主党には採決を遅らせることができる手立てはほとんどない。

  事情に詳しい関係者2人によれば、上院司法委員会は10月12日からバレット氏指名承認の審議を開始する予定。上院本会議での採決は選挙の1週間ほど前の26日の週に暫定的に設定されている。

  民主党大統領候補のバイデン前副大統領は、大統領選の勝者が故ギンズバーグ判事死去に伴う空席を埋める人選に当たるべきだと主張。選挙の前に後任を決めることに反対する主要な論拠として、最高裁の保守傾斜が医療保険制度改革法(オバマケア)に突き付ける脅威を挙げた。  

(第3段落以降に詳細を追加して更新します)

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