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米国の公衆衛生当局は、夏の終わりに気を取り直していたかもしれない。新型コロナウイルス感染は拡大し続けていたが、入院に至る感染者は減少し、死者も減っていたからだ。

  ただ、ここにきて季節の変わり目を迎え、死者と重症者が今後増えることを示唆する兆候が出てきた。

  新型コロナウイルス感染症(COVID19)追跡プロジェクトが収集したデータでは、入院者数は7月下旬以降の6万人近くから減少し、過去1週間に3万人程度で横ばいとなっている。一方、死者数は27日までの7日間に平均約750人と、7月第1週の1日当たり約600人よりも増加している。

  科学者らは気温が上昇する時期に感染状況が緩和されれば、気温が低い季節に見込まれる感染再拡大の勢いが弱まる可能性があると期待していた。しかし、5月下旬のメモリアルデーの祝日後も感染拡大は続き、夏の初めにはサンベルト地帯とよばれる南西部で感染が流行し、最近では中西部地域の北部や全米の大学キャンパスで新たな感染急増が見られる。

  病院がより多くのコロナ患者に対応している兆候が出てくれば、気温が低下し、学校や休日の交流などの活動の屋内シフトに伴う新規感染者の増加で医療システムが耐えきれなくなるとの懸念を再燃させる公算が大きい。

  歴史や科学では、コロナウイルスの2回目の冬は最初の冬よりも悪化する可能性が高いことが示唆されている。病原体は最初の冬より定着している上に、ほとんどの呼吸器系ウイルスは主に冬季に広がる。

  バンダービルト大学のウィリアム・シャフナー教授(感染症学)は「われわれはまだ、一冬の全体を通して新型コロナにさらされたわけではない。冬季はより多くの人々が屋内にとどまり、長時間近くにいる」と述べ、「新型コロナが冬場にこれまでよりもさらに容易に広がり得ると本当に懸念している」と語った。

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