(ブルームバーグ): NTTによる巨大グループ再編で親子上場問題への関心が高まる中、市場では日本企業が9月末の上半期決算を通過することから今後もグループ再編が高水準で続くとの見方が出ている。

  NTTの澤田純社長は29日の会見で、NTTドコモの完全子会社について、米国や中国の製品が市場を席巻しており、「新たなゲームチェンジを起こしたい」と説明した。ゴールドマン・サックス証券の鈴木廣美氏らはリポートで、「国内最大の上場子会社の完全子会社化は、他のグループ企業のガバナンスの考え方へ影響を与え、年度後半にかけてさらに企業再編が続く可能性がある」と指摘した。

  ゴールドマンの試算によると、9月29日時点でことしの株式公開買い付け(TOB)予定金額は7.9兆円。東証の時価総額の約1.2%に相当し、07年の3倍、前年の4倍を超える。新型コロナウイルス感染拡大による収益環境の悪化、急激な技術革新は企業自らが変化を模索する最大のトリガーだと分析する。大型再編に注目が集まる中、時価総額上位60社の上場子会社には、ソフトバンク、ゆうちょ銀行、Zホールディングス、NTTデータ、協和キリン、ウエルシアホールディングス、伊藤忠テクノソリューションズなどがあるとしている。

  また、3月決算企業が9月末の上半期決算を通過する時期にあたることも重要との見方がある。大和証券の阿部健児チーフストラテジストは「決算発表時期は企業が大きな意思決定を行うタイミング。昨年は東芝や三菱ケミカルホールディングスの親子上場解消が発表された」と話す。その上で、「10月、11月は短期的に親子上場解消が出てくる可能性がある」という。

  阿部氏によれば、親子上場解消には子会社売却とNTTのような子会社取り込みの2つのケースがある。子会社売却を考える企業にとって、最近の株価上昇はチャンスだが、「子会社取り込みのケースでは、株価の下落が親会社にとってメリットになる」という。同証では、19年末以降の株価下落率が相対的に大きい上場子会社(時価総額300億円以上)としてイオンフィナンシャルサービス、住友理工、日野自動車、イオンファンタジー、SFPホールディングス、三井海洋開発などを参考に挙げる。

  一方、政府の成長戦略では、コーポレート・ガバナンスのあり方として、独立社外取締役比率が3分の1以上いることが目安の一つとされた。これを踏まえて、大和証では、3分の1に未たない上場子会社(同)として、東映アニメーション、SBIインシュアランスグループ、アプラスフィナンシャル、エフティグループ、不二家、カッパ・クリエイト、ユアテックなどを挙げた。

  

©2020 Bloomberg L.P.