(ブルームバーグ): ANAホールディングス(HD)の今期(2021年3月期)の連結純損益見通しが過去最大となる5300億円前後の赤字となることが分かったと、共同通信が21日に報じた。

  ブルームバーグが集計したアナリスト9人の今期の純損益予想の平均値は2900億円の赤字だった。前期は277億円の黒字。同社は新型コロナウイルスの影響で合理的な算定が困難であるとし、今期の業績予想については期初から未定としていた。7月時点では、4−9月期に決算発表時に一定の前提を置いた上で今期の業績予想を開示する方針としていた。

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  ANAHDは同日、今期の業績予想は未定だとした上で、「開示が可能となった時点で速やかに公表」するとのコメントを発表した。4−9月期決算については、取締役会決議を受けて27日に発表するとした。

  新型コロナの感染拡大による移動制限などから、世界の航空各社は苦境に陥っている。日本政府の観光支援事業「GoToトラベル」で国内線需要は一定の下支えが期待される半面、国際線の回復は24年までかかるとみられている。

  ANAHDでは財務基盤の強化に向け、一部が資本とみなされる劣後ローンで計4000億円を調達する見通しであるほか、2000億円規模となる公募増資の年内の実施計画も報じられている。同社は27日に4−9月期決算と事業構造改革の内容を発表する予定。共同通信によると、劣後ローンの調達も同日発表されるという。

  共同通信によると、ANAHD傘下の全日本空輸が事業構造改革の一環として主に長距離の国際線で使用するボーイング777などの約60機の大型機を半減する。

  リース会社などの売却先を探すことに加え、解体して部品として売ることも視野に入れるという。その上で、機体価格が数百億円に達する大型機もあり、機材削減の減損処理が赤字の一因となると報じた。機材削減に関する報道に関して、ANAHDの広報担当者からコメントは得られていない。

  同社の株価は21日午前の取引で前日比3.7%高まで上昇していたが、報道を受けて急失速し、一時0.8%安の2353円まで下げた。その後は値段を戻し、1.8%高の2416.5円で取引を終えた。

(報道内容を追記、更新前の記事は今期業績予想を訂正済みです)

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