(ブルームバーグ): 中国共産党は26日から開いていた重要会議、第19期中央委員会第5回総会(5中総会)で、次期5カ年計画(2021−25年)などの基本方針を採択した。経済成長のペースよりも質を重視し、技術強国への発展を目指す。

  共産党中央委員会は29日の5中総会閉幕後に、持続的成長の必要性を強調したほか、強大な国内市場を構築する方針を示した。国営新華社通信が公表したコミュニケでは、具体的な成長率目標への言及はなかった。

  習近平総書記(国家主席)らが総会前に示唆していた通り、テクノロジー自立が国家戦略の柱に格上げされた。取り組みの中心となるのは、人工知能(AI)や第5世代(5G)移動通信網、自動運転技術などイノベーションの基盤となる半導体の自立だ。

  米国との対立激化や新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた世界経済を踏まえ、中国当局は成長確保に向けて国内資源と消費に軸足を置く。「双循環」と呼ばれる同戦略はコミュニケで2度言及されたが、具体的な説明やそれに伴う詳細はなかった。

習氏が狙う中国経済の自立強化−世界のモノ・サービスの流れに影響も

  共産党は35年までの向こう15年のビジョンについて、「中国は主要分野の核心技術で重大な突破(ブレークスルー)を実現し、イノベーション国家の前列に入る」と主張した。

  国務院(政府)参事を務め、全球化智庫(CCG)の創設者でもある王輝耀氏は、「テクノロジーが中国の次の発展分野で鍵になる」と指摘する。

  「小康社会(適度にゆとりある社会)」を実現するため「中高速成長」を目指した現行の5カ年計画とは異なり、今回の総会は成長ペースではなく質を重視すると見込まれていた。コミュニケでは、向こう5年間も内需拡大と経済開放を堅持する方針が示された。

  具体的な国内総生産(GDP)成長率への言及はないものの、中国政府の野心的な経済見通しは変わらないとアナリストらはみている。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の大中華圏担当チーフエコノミスト、楊宇霆氏は「党指導部は経済規模と家計所得、1人当たりGDPが35年までに新たな節目に到達するとなお見込んでいる」と分析。「中国はGDP目標を放棄したわけではない。これまでに比べて微妙に異なる言い回しで表現しているにすぎない」と述べた。

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