(ブルームバーグ): 中国が1人当たりの所得ランキングで2025年までの四半世紀に56カ国・地域を追い抜くと国際通貨基金(IMF)は予測している。

  ブルームバーグが先月のIMF世界経済見通しから分析したデータによれば、25年までに中国は70位となる。

  中国の1人当たり国内総生産(GDP)は、購買力調整後で25年に2万5307ドル(約263万円)になる見込み。1世紀前は世界有数の豊かな国で、今は度重なる債務・通貨危機に苦しんでいるアルゼンチンを抜く。

  ゴールドマン・サックス・グループのグローバル・エコノミック・リサーチを統括し、01年にブラジルとロシア、インド、中国の4大新興国を指す「BRICs」という造語を生んだジム・オニール氏は、30年代にはBRICsは主要7カ国(G7)よりも大きくなる可能性が高いとし、「ほぼ中国によるもので、程度は小さいがインドも寄与する」と述べる。

  データからは驚くような変化が多く読み取れるが、特に東欧とアジアの国々の躍進が顕著だ。

  トルクメニスタンは58カ国を追い抜き、中国よりハイペースで順位を上げる唯一の国となる見通し。アルメニアやジョージア、ベトナム、バングラデシュも大きくランクアップする。

  アジアの途上国全体で1人当たりGDPは6倍に膨らむ。対照的に中南米とカリブ海地域、中東、中央アジアでは所得倍増すら見込めない。 

  G7各国は平均の1人当たりGDPが3万1471ドルから25年には6万4582ドルに増える見通し。G7の中ではイタリアだけが順位を大きく落とし、21位から35位に後退しそうだ。

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  2000年の1人当たりGDPが3万6318ドルで11位だった米国は、9位にランクアップすると見込まれている。だが隣国のカナダは25年までに順位を6つ落とし24位、メキシコは26ランク後退し77位に転落するもよう。

  最も劇的な生活水準向上が見られるのがアジアだ。中国では、1人当たりGDPが2000−06年に約2倍になり、13年までに再び倍増した。24年までにまた倍になる見通し。25年間の期間で見ると、年率9.1%の伸び率となる。

世界のトップ3

  世界トップ3にはルクセンブルクに加え、アジアからマカオとシンガポールが入る。米国を06年に抜いたシンガポールは25年までに1人当たりGDPが11万5445ドルに達するとIMFは予測している。 

  新型コロナウイルス感染症(COVID19)のパンデミック(世界的大流行)に見舞われた今年、1人当たりのGDPが増えるのは中国とベトナム、台湾、エジプトの4カ国・地域だけだとIMFは予想。

  COVID19の死者数が最も多い5カ国(米国とブラジル、インド、メキシコ、英国)はいずれも力強い回復が想定されるが、中国に後れを取る。

  IHSマークイットのエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「中国の企業はCOVID19で失われた生産をこれまでで最もうまく取り戻しているだけでなく、最も速い完全回復を見込んでいる」と指摘、「米企業は僅差の2番手だ」と話している。

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