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バイデン次期米大統領が財務長官に連邦準備制度理事会(FRB)前議長のジャネット・イエレン氏を指名する見通しとなったことから、外国為替市場の関係者は米国のドル政策がもっと明確になるとの確信を強めている。

  トランプ政権は強いドルに懸念を表明し介入をちらつかせたかと思うと、しばしば同じ日のうちに一転して正反対の立場を表明するなど、一貫性を欠く姿勢を示して混乱をもたらしてきた。ビル・クリントン氏からバラク・オバマ氏までの歴代の米政権は、強い通貨は米経済の力強さの反映だとする立場を堅持してきた。

  イエレン氏が財務長官に就任すればドル政策に明確を取り戻すとの見通しは、世界の金融・通商を支える外為市場の安定化につながると考えられる。

  バイデン、イエレン両氏は政権発足後、まず新型コロナウイルス対策と、コロナ禍で打撃を受けた経済の回復に注力する見通しであり、通貨政策を明らかにするまで時間がかかる見込みだ。しかし一部のトレーダーは期待を寄せている。

  メドレー・グローバル・アドバイザーズの世界マクロ戦略責任者、ベン・イーモンズ氏はリポートで、「イエレン氏が指名されれば、より一貫性のあるドル政策が策定されることになりそうだ」と指摘。「イエレン氏がFRB議長だった当時、予想がつかない連邦準備制度の政策でドルが一段と強くなったからだ。イエレン氏の経験と知識により、ドル政策を巡る状況はより良く、秩序立ったものになる可能性がある」と説明した。

  サマーズ元財務長官は今月初め、次期財務長官に助言する内容の公開書簡で、「積極的にドル押し下げを図っていると受け止められたり、ドル相場に無関心と受け止められたりするのは賢明ではない」とし、クリントン政権時代に確立された強いドル政策に回帰すべき時であるとの考えを示した。

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