(ブルームバーグ): 買い物客はまばらで、過去に見られたホリデー特有の光景が姿を消す中、一部の小売りウォッチャーはブラックフライデーをブラゼフライデー(無関心な金曜日)と呼び始めた。しかも、それは新型コロナウイルスが影響をもたらす以前のことだ。

  2019年に低迷が報告された客足は、今年さらに細ると予想されている。モールに出かけることに慎重な消費者はブラックフライデー深夜に店舗で売り出される超特価品よりも、オンラインでの目玉品を購入。ただし、オンラインショッピングへのシフトに惑わされてはいけない。年末商戦としては記録的なシーズンとなる見通しだ。それらを配送する流通企業にとっても同様となる見込み。

  新型コロナが流行し始めて以降、ウエストが伸び縮みするパンツや気分を高める商品の購入が好調だ。アリゾナ州スコッツデール・ファッション・スクエアでは27日、ヨガウエアを販売するルルレモン・アスレティカやボディケア用品ブランドのバス・アンド・ボディー・ワークスの店舗前に行列ができた。バス・アンド・ボディー・ワークスのハンドサニタイザーやキャンドル、石けんは、新型コロナが拡大する中で人気商品となってきた。

  ブラックフライデーにソーシャルディスタンス(社会的距離)を確保するために、一部店舗は異例の戦略を採用。米衣料品店のチコズはビデオ通話を活用している。

  チコズの従業員はバーチャル形式で顧客に接触し、靴やジャケットの新製品を見せている。同社のモーリー・ランゲンスティーン最高経営責任者(CEO)が明らかにした。2000ドル(約21万円)の売り上げにつながったケースもあるという。

  全米の実店舗における買い物客は例年よりまばらだ。シカゴのローガンスクエア地区にある米ターゲットの小型店舗は午前9時前後の時点で静かな状況だった。午前7時に開店した同店舗は入店可能な人数を50人に制限した。

  米最大の百貨店であるニューヨーク・ヘラルドスクエアの米メーシーズ店舗では、1年で最も繁忙な買い物イベントというよりも、通常の1日のようだ。例年であれば、買い物客の群衆が正面玄関から続々と入っていく様子が見られるが、今年はわずかな客足にとどまっている。

  米国の感謝祭当日のオンライン購入は予想を10億ドル近く下回った。消費者が今週を待たずに買い物を始めていたことが示唆されたほか、ギフト購入を分散させる小売業者の取り組みが奏功したことも示された。

  アドビ・アナリティクスによると、26日のオンライン購入は総額51億ドル。感謝祭当日としては過去最高で、前年同日比で21.5%増となった。ただし、同社が予想していた60億ドルは大きく下回った。

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