(ブルームバーグ): 東京株式市場では再びTOPIXに比べて日経平均株価が優位となりつつある。日経平均をTOPIXで割ったNT倍率は30日終値時点で15.0626と初めて15を上回り、同倍率が算出された1969年以来の最高値となった。日経平均の上げに特に寄与しているのは、東京エレクトロンや信越化学工業などの半導体関連株や精密機器、電子部品などだ。

  大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリストは電話取材で、米国のフィラデルフィア半導体株指数(SOX)も27日に最高値を更新していることから「日経平均の値がさ株であるそれらの関連株にも買いが入りやすいという背景と、需給要因がNT倍率を押し上げている」と話した。

  24日にはNTTによるNTTドコモの株式公開買い付け(TOB)の決済が開始され、総額4兆円以上がドコモの株主に支払われた。「この売却代金の再投資先として半導体関連株が選好されている」と木野内氏は言う。加えて中間配当の再投資も4兆円規模あると木野内氏は試算。「来週金曜日のメジャーSQ算出日まではNT倍率は堅調に推移するだろう」とみている。

  もっとも、30日の東京株式市場は下落したが、日本株指数は月間では急上昇した。上昇率は日経平均株価の15%に対しTOPIXが11%。東海東京調査センターの関邦仁ストラテジストは、日本株相場の急上昇と日経平均の優位性の背景には海外投資家の動きがあるという。海外投資家は11月に入ってから3週までに現物・先物合わせて約2兆7570億円買い越しているが、そのうち先物の買いが1兆6823億円と膨らんでいる。

  関氏は「先物主導で買いが入ると、指数で売買する投資家は値がさ株の中でも品薄になっている銘柄を買い入れるため日経平均のほうが上昇しやすくなる」と説明。年間でみると海外勢は売り越しており、彼らのショートカバーが続くことで短期的に日経平均のほうが上昇しやすい相場は続くという。一方で、来週末のSQをきっかけに海外勢が方向転換すれば、「景気回復が意識される中で景気敏感株のウエートの高いTOPIXに買いが戻ってきても不思議ではない」と話した。

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