(ブルームバーグ): ソフトバンクグループのビジョン・ファンドは配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズの株価上昇後、約20億ドル(約2100億円)相当の株式を売却した。同セクターから将来的にさらに利益を得る可能性が示唆された。

  米証券取引委員会(SEC)への届け出によると、ビジョン・ファンドの関連会社SBケイマン2は今月7日に3800万株を平均53.46ドルで売却した。ソフトバンクGは依然、1億8420万株を保有し、現在の株価では約100億ドルに相当する。

  ソフトバンクG創業者の孫正義社長は配車サービス業界への積極的な投資家で、ウーバーや中国の滴滴出行、インドのオラ、東南アジアのグラブに多額の出資を行っている。ウーバーが2019年の新規株式公開(IPO)後に急落し、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で需要が減少すると、孫氏の賭けは危険にさらされたかに見えていた。だがウーバー株は、昨年3月の安値から3倍強に上昇。ソフトバンクGの投資ポートフォリオで最大の滴滴出行も年後半にIPOを検討しているとブルームバーグは報じている。

  ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、アンシア・ライ氏は調査リポートで、「ソフトバンク・ビジョン・ファンドはウーバー株の売却後、滴滴出行のIPOに道筋をつけるかもしれない」と指摘。「滴滴出行に約2割出資していると報じられているだけに、ウーバー株へのエクスポージャー縮小は、ソフトバンクGによる配車サービス業界への影響力の大きさや潜在的な利益相反に関して滴滴出行の投資家が抱く懸念を和らげる可能性がある」と分析した。

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