(ブルームバーグ): 米ホワイトハウス当局者はトランプ大統領が自身と家族、側近への恩赦を与えるとは見込んでいないが、著名なラッパーなどへの恩赦を準備している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  トランプ氏は大統領として最後の丸1日となる19日に恩赦リストを発表する見通し。トランプ氏は後に連邦法上の犯罪で訴追されかねない事態を見越して、あらかじめ自身に包括的恩赦を与える可能性について側近と議論したこともあり、以前にそうした権限を主張したこともある。

  関係者3人によると、ホワイトハウスの法律顧問パット・シポローネ氏はトランプ氏と家族に恩赦を準備することに抵抗し、退任に当たって発表する恩赦の範囲縮小を目指してきた。トランプ氏が自身と家族、側近を恩赦するために準備された書類はないという。

  自己恩赦に反対する論拠の1つは、トランプ氏の多大な政治的責任を証明することになりかねない点で、大統領選挙への再挑戦を妨げる恐れがある。トランプ氏が在職中に法律に違反したことを認めるに等しい行動だとライバル候補らが主張することは確実だ。

  ホワイトハウスのスタッフは、銃の不法所持で有罪を認めたラッパーのリル・ウェイン(本名・ドウェイン・カーター)被告など複数人を恩赦する書類を準備した。関係者は公表前だとして匿名を条件に話した。

  関係者によれば、ホワイトハウスで要職にある大統領の長女イバンカ・トランプ氏と娘婿ジャレッド・クシュナー氏について、あらかじめ恩赦を与えておく案が検討されたことはあったが、書類作業は行われていないという。同夫妻は不正行為を追及されてはいない。

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