『データ・リテラシー』

 普通の人にはとうてい見抜けない「ディープ・フェイク」が蔓延(まんえん)する現代。副題に「フェイクニュース時代を生き抜く」とある通り、ニューヨーク・タイムズ東京支局長を務めたジャーナリストが、デジタル時代に必須の情報リテラシーを指南する。
★マーティン・ファクラー著 光文社新書・858円

『日本文化の核心』

 帯文にいわく「『松岡日本論』の集大成」。柱の文化、客神の意味、仮名の役割、コメ信仰、「すさび」や「粋」の感覚、「まねび」と日本の教育、そして「おもかげ」と「うつろい」――著者長年の探究を語り下ろした「編集的日本像についてのスケッチブック」(本文から)。
★松岡正剛著 講談社現代新書・1100円

『「井上ひさし」を読む』

 没後10年を迎えた作家・劇作家の井上ひさし。時代と世の中に鋭い批評性を持ち、大衆性も兼ね備えた多くの作品を生み出した。彼と生前交流があった作家の大江健三郎氏や劇作家の平田オリザ氏らの座談会を収録し、その作品に込められた思いを読み解いていく。
★小森陽一・成田龍一編著 集英社新書・1078円

『きみのまちに未来はあるか?』

 地域には「根っこ」がある。人のつながりや自然、まちなみ、伝統、文化だ。北陸新幹線で観光化が進む金沢市、農山村の先進的な地域づくりが原発事故で断たれた福島県飯舘村。それらの例から、歴史を踏まえ未来をひらく道を、環境政策と地域経済の研究者が探る。
★除本理史・佐無田光著 岩波ジュニア新書・946円

『科学の最前線を切りひらく!』

 作家の著者がナショナルジオグラフィック日本版サイトで連載した科学者を訪ねるルポから6編を再編集。恐竜、気象、脳など各分野をリードする研究者たちは何を考え、どんな道を歩んできたのか。研究内容はもちろん、著者の驚きや興奮も伝わってきて楽しい。
★川端裕人著 ちくまプリマー新書・1034円=朝日新聞2020年5月2日掲載