近年ブームが続くお城めぐり。昨年あたりからは御朱印ならぬ「御城印」を配布する城も急増し、ブームを後押ししています。お城というと立派な天守に目がいきがちですが、今回取り上げる図鑑は、お城の“石垣”に着目した一冊です。

 「名城の石垣図鑑」は、石垣の歴史、石の加工法や積み方などの基礎知識に始まり、全国各地の75の城の石垣を取り上げ、写真付きで特徴や見どころを紹介。日本城郭協会理事長であり、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」や「麒麟がくる」などの時代考証でも知られる小和田哲男さんが監修しているだけに、その解説はお墨付きです。

 石垣初心者として、足を運んでみたいのが石川県の金沢城。随所に石垣のさまざまな技法が見られ、「石垣の博物館」とも呼ばれているんだそう。石垣を見て楽しむ庭園まであるというから、さすがの加賀百万石です。

 例えば、石垣の異なる積み方を見比べられるのが、搦手門(からめてもん、裏門)だった石川門。左側は石の接合面を平らに加工して積み上げ、小さな隙間に小石を詰めた「打込接(うちこみはぎ)」、右側は石をきれいに整形して隙間なく積んだ「切込接(きりこみはぎ)」と、まるで石垣の加工法の違いを示すための教科書のようです。

「名城の石垣図鑑」(二見書房)より

 石垣の違いがわかってくると、築城時の時代背景や敵の侵攻を防ぐための仕掛けや工夫などを読み解くことができるのも石垣ウォッチングの醍醐味。中には謎多き石垣もあるんだとか。まずは目慣らしに、近隣のお城から攻めてみてはいかがでしょうか。

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