旧暦10月は、神無月。今年は新暦の11月15日〜12月14日に当たります。この間、全国各地の八百万の神々が出雲に集結し、各地で神様が留守となることから神無月と呼ばれるようになったといわれています(諸説あり)。一方、神様が集う出雲では神在月と呼ばれ、各神社でお祭りが行われます。旧暦10月10日に当たる11月24日には、「神迎神事(かみむかえしんじ)」「神迎祭(かみむかえさい)」が執り行われ、さまざまな神様が出雲入りするのを迎え入れるのだそうです。

 神々がほぼ全員集合(留守を守る神様も各地にいるそうで……)する光景は、神々しいこと間違いなしですが、中にはこんなゆるキャラのような神様もいるかもしれません。

 「ニッポン脱力神さま図鑑」は、エッセイストの宮田珠己さんが丸4年をかけて構想・取材し、日本各地の路傍に佇むユニークな神仏像323体を紹介する図鑑。仁王様や人形道祖神など、種類ごとに分類されているとはいえ、同じ種類でもそれぞれの姿形は千差万別です。

 例えば、鹿児島県と宮崎県の一部で祀られている田んぼの神様「田の神さあ」は、長袖の衣に頭に「シキ」と呼ばれる藁の敷物を被り、しゃもじとお椀を手にした姿が一般的とのこと。ですが、本書で取り上げられている田の神さあだけでも、おっさんやマダムっぽい風貌のもの、旅僧の姿をした像やお役人のような装いのものなど、バラエティ豊かで見ていて飽きません。しかも、どれも村人たちの手作りだというから、その想像力のたくましさに拍手を送りたくなります。

「ニッポン脱力神さま図鑑」(廣済堂出版、著:宮田珠己、ブックデザイン:藤田泰実)より

 他にも、気さくすぎる仁王様やアニメキャラのような鬼、素朴な狛犬など、どこか親近感が湧いてくるものばかり。これまで何の気なしに通り過ぎていた道端の神様仏様をじっくりと拝んでみたくなる一冊です。