NGT事件と後藤真希ブログから考える、アイドルとファンの“正しい距離感”とは?

虚像ではなく実像を見せようとした「AKB」

 こうした虚像でなく、生々しい実像をみせようとして生まれたのが「AKB」だろう。YouTubeが誕生するのは2005年のことだが、AKBもその年の暮れに初公演をおこなう。映像作品から楽曲からなにからが「コンテンツ」呼ばわりされ、それをネットにて無料で享受して消費されきってしまう時代の到来を予期したのかどうかは知らないが、そうした時代に抗うかのごとく、秋元康はライブのための劇場をもつアイドルグループをこしらえる。

客と演者の間に芸以外のものがなりたってしまった

「芸に到達点はない。あるとしたら、その日その時の客と演者の間にだけ成り立つ」とは桂米朝の言葉である。落語に限らず、ライブの魅力はこの一回性にある。AKB商法など揶揄されることが多いけれども、AKBはアイドルを「芸」へと回帰させたともいえようか。

 ところが客と演者の間に芸以外のものがなりたって起きたのが今回のNGTの事件であった。タレントを守れず、そのうえ対応を誤ってメンバー間の葛藤の憶測がSNSなどでなされるにいたっては、余計に「運営」の問題に帰結するように思える。

 もっとも後藤真希のように、自宅が観光地化し、「最寄りの駅でタクシーの運転手さんに『ゴマキの家に行って下さい』と言ったら連れてってくれるらしい。私も3回試しましたが、3回とも(自宅に)着きました」(注4)といえるのは、それはそれで大物の貫禄に思えてしまうところであるが。

(注1)「ナカイの窓」(日本テレビ系)2016年2月24日放送
(注2)週刊SPA! 2013年5月21日号
(注3)婦人公論 1999年6月22日号
(注4)スポーツ報知 2018年10月8日

(urbansea)


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