新浪剛史が語る2018年の課題「“2025年問題”と“デジタルエコノミー”にどう対処するか」

2017年は世代が分断された年だった

 2017年は世代間の分断が際立った年だと感じました。例えば、20代の人たちは、ここ数年続く好景気によって就職活動は売り手市場で、入社後も生活の満足度は高く、将来の見通しも明るいと希望を持っています。


新浪剛史 サントリーホールディングス株式会社代表取締役社長

 いっぽう、30代後半から40代前半は長らく続く不況とデフレで就職は困難を極め、入社以降もITバブル崩壊やリーマンショック、東日本大震災など立て続けに災厄に襲われました。厳しいことが多かったから、将来にも悲観的です。

 50代は、目前に迫る2025年問題に危機意識を高めています。2025年問題とは、この年に団塊の世代が75歳になることで、全人口に対する75歳以上の後期高齢者の割合が18%を超え、日本が本格的に超高齢化社会に突入します。これにより、認知症を患う高齢者の増加、医療費の増大に伴う財源確保の問題、介護を必要とする高齢者の増大に対する介護医療従事者の人手不足などの数々の問題が生じてきます。


 

 この世代間の明確な違いは前回の衆議院選挙の結果にも現れています。NHKが投票日に実施した出口調査では、自民党に投票したのは20代が50%と最も高く、以下、30代42%、40代36%、50代34%、60代32%、70代以上が38%となっています。

 これは、自民党の選挙戦略がこれまでのシルバー世代を重視した政策から、若い世代に光を当てる方向へと明らかに転換したからでしょう。これによって、若い世代の消費が喚起され、消費経済もプラスに動く可能性があるので、とても有意義なことだと思います。

国内はデフレスパイラルから脱却した

 国内経済に関しては、2017年は日本経済が長年続いたデフレスパイラルから完全に抜け出せたことが象徴的でした。それを如実に物語っているのがヤマト運輸の値上げです。まさかヤマトが値上げするなんて誰も思っていなかったけれど、ついに耐えられなくなった。

 また、企業が継続的に賃上げに取り組み、賃金は4年連続で上がっています。これは為替が1ドル110円前後で推移し、経済が安定していることに依拠しています。今後もこの傾向は続くと見られているので、2018年も引き続き賃金は上がり、物価も上昇するでしょう。GDPの実質成長率は2017年同様、1.5%を期待できると思います。

 ただ、問題は2つあります。

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