ロングランヒットを記録した「さくら(独唱)」から17年。森山直太朗の代表作が新たなアレンジによって生まれ変わった「さくら(二〇一九)」は、『同期のサクラ』(日本テレビ系)の主題歌として昨年大きな反響を呼んだ。

「率先してチャレンジしていきたい」と語った俳優業で見せる存在感にも、注目が集まっている。現在放送中のNHK連続テレビ小説「エール」では、後に作曲家となる主人公を励まし音楽の道へと導く教師・藤堂清晴役を、説得力をもって演じている。

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*以下の記事では、NHK連続テレビ小説「エール」の詳しい内容について述べられていますのでご注意ください。

 スタートしてから、まだ2週間。

 あれほど前回の朝ドラ「スカーレット」にのめり込んだゆえに、そう簡単に「エール」へ気持ちを完全移行できないんじゃないか……。“バトンタッチした朝ドラあるある”ともいえる、そんな状態に陥るかと危惧していたものの、杞憂に終わらせてくれるキャラクターが現れた。それが主人公・古山裕一(窪田正孝/子供時代、石田星空)の小学校時代の担任、藤堂清晴(森山直太朗)である。

藤堂先生は、裕一に“エールを送る第一の人物”

「エール」の第1話(3月30日放送)こそ、裕一とヒロインの関内音(二階堂ふみ)が手を取り合って大噴火から逃げ惑う原始時代にはじまり、彼らが踊りまくるフラッシュモブ・ミュージカルあり、1964年東京オリンピック開会式に臨んでいくふたりというアガる画ありと、実に賑やかだった。それがスタートしてみるとやや一転、裕一を取り巻く過酷な状況にヒリヒリする展開だったのである。

 運動も武道もダメ、とことん気が弱くて緊張すると言葉が詰まるゆえに、いじめっ子の格好の標的にされてしまう裕一。また、幼少期の裕一を演じている石田星空くんが可愛いゆえに悲壮感が増してきてしかたがない。第1週のタイトルが「初めてのエール」なだけに、そうした裕一に“エールを送る第一の人物”が出てくるのだろうと観る者は予想したはず。