佐野史郎が語る「冬彦さんは平成のゴジラだった」

心理サスペンス『限界団地』(東海テレビ・フジテレビ系)で連続ドラマ初主演を務める佐野史郎さん。その役どころ寺内誠司は“異常な老人”で、「冬彦さん」を思い出す人もいるかもしれない。あの、妻に不倫されるマザコン男の怪演から26年。あらためて佐野さんに「冬彦さんとは何だったのか」を伺いました。


佐野史郎さん ©山元茂樹/文藝春秋

◆◆◆

視聴率をどうしても意識してしまいますでしょう?

――連続ドラマの主演は初めてなんですね。

佐野 ありがたいことに映画は主演デビューでしたし(林海象監督『夢みるように眠りたい』86年)、舞台や映画、単発のドラマなどではフロントに立って仕事をすることは今までにずいぶんやってきたんですが、地上波の連続ドラマっていうのがね、またこれまでと違った責任を感じるんですよ。

――テレビの地上波だからこその責任ですか?

佐野 視聴率をどうしても意識してしまいますでしょう? それは脇役の冬彦をやっていた時でさえそうでしたから、主演となると重いですよ(笑)。『ずっとあなたが好きだった』が放送された時代って、今からもう26年も前になりますけど、あの頃はフジテレビの月9、トレンディードラマが全盛で、W浅野で視聴率30%超えみたいな世界でしたよね。TBSは数字的に苦労していたから、視聴率というのは一つの目標であり、モチベーションでもありました。ただ僕は主演の賀来千香子さんと布施博さんに次ぐポジションでしたから、フロントマンとしての責任はそこまで実感していなかったかもしれない。でも今回は主演ということで感じざるを得ません。

親分肌ではないんです

――視聴率も担う、座長のようなプレッシャーというか……。

佐野 うーん、ところが僕には意識的にみんなをまとめようという「座長気質」、親分肌みたいなところが見当たらない(笑)。ただ、似たような感覚かなと思っているのは、人気ドラマのゲスト主役の心境。あれはもう死に物狂いでやるんです。なぜかというと、その回の視聴率はゲスト主演次第だから。

――近いところでは長澤まさみさん主演の月9『コンフィデンスマンJP』に映画マニアの食品会社社長の役でゲスト主演されていましたね。

佐野 あのマニアぶりは、僕の実人生の嗜好とも重なり楽しい仕事でしたけど(笑)、それにしてもゲスト主演というのは言い訳無用の恐ろしさが付きまとうんです。そう考えると連続ドラマの主演って、怖いですよ。

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