《いまだ断行中》「なぜ私は佐野SAストライキを始めたのか」渦中の“解雇部長”が真相を告発

 加藤氏はすぐに動いた。サービスエリアに戻り、入り口前にロープを張って、ストライキをする旨を書いた紙を貼り出したのだ。時間は深夜4時頃。夜空は白みかけていた。

「ネットで調べてみたら、ストライキには事前通告が必要と書いてました。それにお盆はサービスエリアにとって一番の稼ぎ時。観光客の方とのやりとりを楽しみにしていた従業員もいました。お客様には大変ご迷惑をお掛けしてしまって心苦しいのですが、やむを得なかった。今回生じた損害賠償は私一人でかぶるつもりです」(同前)

ストライキには従業員の9割に当たる約50人が参加

 例年、お盆の期間は売店で1日800万円、フードコートで200万円、レストランで150万円の売り上げがあるという。加藤氏は自身の Facebook でもストライキの経緯を説明。労働組合は取引業者への商品代金支払いと従業員への給与支払いの確約に加え、加藤氏の不当解雇を正式に取り消すことを経営陣に要求した。かくして佐野サービスエリアのストライキ騒動はお盆のUターンラッシュの最中、たちまち全国ニュースとなったのだ。

「ストライキには従業員の9割に当たる約50人が参加してくれました。初日は『店を閉めて大丈夫か』と不安そうな方が大半でした。お客様にご迷惑をかけているだろうと、心配でたまらずサービスエリアに向かった方もいます。私も当初は3時間程度で収束すると思っていた。しかしいまだ労使交渉は難航しています。社長はストライキ後に従業員へ個別電話をかけて切り崩し工作をしていましたが、1人として説得することができずにいます」(同前)

 8月15日、会見で社長は「仕入れ業者との注文の食い違いがあり、社員の不当解雇というのがありまして、それでストライキになりました。すでに昨日の段階で、解雇は撤回しておりまして、一刻も早く再開できるようにしたいと思っています」とコメントしている。

 一部フードコートの営業を再開した16日の会見では、「(一部従業員が)毎日のように私のことを『悪い人』だと言っておりますが、『悪い人』のためにこれだけの人たちが集まって協力してくれているのは、本当に涙の出る思いでございます。今後は『いい人』だなと、言われるような人間になりたいです」と述べている。

「業者に頭を下げるものじゃないよ」

 加藤氏が語る。

「8月15日の会見後、突然コミュニケーションもなく『解雇撤回』のメールが届きました。それは私にではなく世間を意識して言ったものだろうなと思いました。それに撤回と言われただけで会社に来いとは言われていない。ですので今も不当解雇されているという認識です。

 社長は声を荒げることはありませんが、常々従業員や取引業者の方々を下に見ていた。私が業者の方に『おはようございます』と頭を下げると、社長は『加藤さん、業者に頭を下げるものじゃないよ。我々が頭を下げるのは(東北道を管理・運営する)NEXCO東日本と(その子会社で店舗を貸与する)ネクセリア東日本だけ。業者は業者。上下関係だから』と言い放ったこともあります」

 結果的に従業員のストライキは14日から断行されたまま。現在も加藤氏の下には、従業員らが毎日集まってきている。8月19日、加藤氏と、共闘する支配人I氏らが経営陣との団体交渉へ赴く際には、従業員みんなでその後姿を見送ったという。I氏が語る。


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