楽天は4月30日、今月20日から法人向けに販売を開始していた新型コロナウイルスのPCR検査キットについて「一時的に販売代理を見合わせる」と発表した。

 楽天は、販売代理の見合わせの理由について、検査キットの開発・製造を手がけるジェネシスヘルスケア社(G社)が4月28日に経営体制の変更を行ったことを理由としている。

「新体制下におけるコーポレート体制とコンプライアンス体制を再度、精査確認した上で、再開等の情報に関してお知らせいたします」とし、「急な変更により、ご利用のお客様には、ご迷惑をお掛けしますこと、深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

 楽天とG社は密接な関係にある。楽天関係者が話す。

「2017年に楽天がジェネシスヘルスケア社に出資したのを機に、三木谷浩史会長が社外取締役に就任しました。三木谷氏はDNA分野に関心を持っていて、社外取締役を引き受けたと言います」


楽天・三木谷浩史会長 ©AFLO

 G社代表取締役だった佐藤バラン伊里氏について、4月30日発売号の「週刊文春」で経歴詐称疑惑があると報じていた。

 創業当時、「佐藤芹香」という名前で活動し、2005年に提唱した「遺伝子型ダイエット」でメディアの寵児となった佐藤氏。ところが「米国の心臓外科医」などと謳っていた佐藤氏の経歴に疑義があり、「週刊文春」がアメリカ現地取材を行い、その結果を2006年11月9日号で「遺伝子ダイエット カリスマ女医『ニセ医者疑惑』」と題して報じていた。

 今回、改めて楽天とG社に取材を申し入れた。

 楽天は、4月26日、佐藤氏について「これほどまで(経歴に)疑義があることの報告をG社から受けておらず、早急に事実確認を進めてまいります」と回答。

 一方、G社は4月26日深夜、以下のように回答した。

「佐藤は英語圏で育った期間が長いことから、『せりか』は海外でも発音がしやすいよう名付けられた非公式の英語名です。貴誌報道を受け、誤解を招くことのないように本名を用いるようにしました。佐藤は日本語が母国語でない事から、事実確認が不十分であり、過去において誤解を与えてしまったことは申し訳なく思っております」

 小誌は、4月28日、週刊文春「スクープ速報」(文春オンライン)でこの事実を報道。本日(4月30日)、楽天は販売見合わせを発表し、いっせいに報じられた。また、G社も同日、ウェブサイトで佐藤氏の代表取締役辞任を発表した。

 佐藤氏から辞任の申し出があり、28日の取締役会で受理したという。ただ、理由については、PCR検査キットの販売を巡る混乱であり、「一部報道」は辞任とは関係ないとしている。