NHK総合で月〜金の朝8時15分から始まる情報番組『あさイチ』は、直前に放送されていた連続テレビ小説について番組キャスター(現在は博多華丸・大吉と近江友里恵アナ)が感想を述べてからその日の番組を始めることが多い。朝ドラファンのあいだでは“朝ドラ受け”とも呼ばれる光景である。これはいまから10年前、2010年3月29日に『あさイチ』がスタートした際、初代キャスターの有働由美子アナ(当時)と井ノ原快彦が始めてからというもの恒例となった。このとき、朝ドラの総合テレビでの放送開始時刻も、従来より15分繰り上がって8時ちょうどに変更されている。放送時間が変わって最初の作品は『ゲゲゲの女房』だった。


朝ドラの放送直後、8時15分から始まるNHK『あさイチ』。現在のキャスター、博多華丸・大吉

じつは『あさイチ』以前にあった“朝ドラ受け”

 もっとも、朝ドラ受けというと、それ以前にも思い出すできごとがある。それは『あさイチ』の始まる2年前の2008年3月28日、当時放送されていた朝ドラ『ちりとてちん』の第150回が終わり、半年間続いたドラマもいよいよ翌日の最終回を残すのみとなったときのこと。朝ドラ明けの8時半のニュースの冒頭で、森本健成アナ(当時)が「明日の最終回もお楽しみに」と告げたのだ。そのときの映像を見返すと、森本アナがそう言ったあと、スタッフルームからだろうか「おお〜っ」とどよめく声が聴き取れる。mixiの『ちりとてちん』のコミュニティでも、まさかのアナウンサーの告知に興奮したファンからの投稿があいついだ。

『ちりとてちん』の神セリフ「私、お母ちゃんみたいになりたい」

 約20年来の朝ドラファンである筆者も『ちりとてちん』を熱心に見ていたクチで、思い出に残る回も多い。最終回前のこの回でも、終盤にもかかわらず大きな展開が待っていた。貫地谷しほり演じるヒロインで落語家の喜代美は、夫の徒然亭草々(青木崇高)を含む一門で力を合わせて宿願だった上方落語の定席「ひぐらし亭」のオープンを実現、この回では初めてその高座に上がり、亡き師匠の徒然亭草若(渡瀬恒彦)の十八番だった「愛宕山」を演じる。しかしこのとき第一子を身ごもっていた彼女は、落語界からの引退を決意、高座を降りる前にその旨を告げたのだ。