東京都民にとっての憩いの場、誰もが知っていて多くの人が一度は登ったことがある山……というと、だいたいが高尾山を挙げるだろう。京王線に乗ってどん突きの高尾山口駅からケーブルカーに乗り継いで頂きへ。山登りと言ってもそれほどハードなものではなくハイキング気分で行けるし、ガチ勢であれば麓から急坂の登山道を自力で登る選択肢も用意されている。高尾山口駅からの道すがらには土産物店や名物の蕎麦屋もあって、ちょっとした日帰りレジャーにはピッタリなのである。

 と、このあたりは今更説明されなくても皆さんよくご存知のことでしょう。ところが、今年のGWはコロナに覆われてしまった。高尾登山どころではない、緊急事態宣言下の東京である。いつものGWならばたくさんのハイカーたちで賑わっているであろう京王線のどん突きの駅は、いったいどうなっているのだろうか。「自粛をしない人が多くて困るよね」という風潮もある中で現実をこの目で見るべく、細心の注意を払い、高尾山口駅を現地取材した。


京王線の終着駅「高尾山口駅」。例年のGWは多くのハイカーで賑わうが……

レジャー客のまったくいない京王線

 高尾山口駅に向かうには、中央線で高尾駅に行って京王線に乗り換えるか、ハナから京王線の高尾山口行を乗り通すかのどちらかである。やはり正統派は京王線じゃないかと思うので新宿駅からそちらに乗った。

 GW最終日、緊急事態宣言に加えてさらに天気もどんよりとあってか、車内に人はまばらである。といっても高尾に近づくまでの京王線は東京郊外を走る生活路線。座れないというほどではないが、それでもポツポツは乗っている。途中に停まる調布駅や府中駅、聖蹟桜ヶ丘駅あたりで乗ったり降りたり。ただ、去年のGWだったら満載だっただろうレジャー客の姿はまったく見られない。当たり前である。

 終点に近づくにつれてすっかりがらんどうになった電車はニュータウンを抜けて高尾駅、そして高尾山口へ。高尾〜高尾山口間はすっかり山の中を走る。高尾駅がそもそも中央線において東京の限界のような位置づけだから、そこより先に分け入る京王線はもはや山岳路線の趣である。東京のどん突きに向かうような印象である。実際には地図を見ると南西の端っこに過ぎないのだが、まあ山を越えれば神奈川、そして山梨だから間違いではない。

高尾山への登山客は……?

 高尾山口駅で降りたお客は5人くらい。くらい、というが数えたので間違ってはいないだろう。