全国で感染拡大が広がる新型コロナウィルス。7月29日に初めて感染者が確認された岩手県では、感染した40代男性に対してインターネット上で誹謗中傷やデマ憶測などの書き込みが相次ぎ、県でも対策を講じ始めた。達増拓也県知事は31日、「犯罪にあたる場合もある。厳格に臨む意味で(中傷に対して)鬼になる必要がある」と強調している。


7月29日夜、岩手県で初の新型コロナウイルス感染者確認を発表する達増拓也知事 ©時事通信社

 コロナ感染者をまるで“魔女狩り”のように吊し上げるケースは岩手だけではない。7月下旬、2つの店舗でクラスターが発生した静岡県浜松市では、クラスター発生が確認された飲食店2店舗と、陽性反応が確認された男性客・Aさんに対し、いわれなきバッシングが続いている。

《コイツが撒き散らしたらしい》

 7月23日、浜松市は飲食店2店舗でのクラスター発生を確認。男女複数人が新型コロナウィルスに感染したことが確認された。濃厚接触者である来店客や従業員160人に対し、市はPCR検査を始めたことを発表。店名も公表された。

 すると同日、浜松市民の間にはLINEやSNSを介して感染者を特定するような情報が一気に拡散し始めた。市内在住の30代主婦に聞いた。

「同級生の友達やママ友など、複数のグループLINEで、《コイツが撒き散らしたらしい》といったメッセージが飛び交って、その日は通知音が鳴り止まなかった。感染者を出したラウンジ『X』やマジックバー『Y』の情報、店のママのSNS、立ち回り先などの情報も回ってきました。『X』や『Y』のお客で、感染が早くに確認された経営者のAさんについては顔写真、会社名、出身高校、出身中学、親や子供のことも書かれていました」

 Aさんは30代で、市の中心部からは少し離れた場所で不動産会社を営む地元出身の若手経営者だ。