小論文はとにかく「イエス・ノー」に落とし込め――“小論文のカリスマ”が教える必勝法

 昔、面白い生徒を教えたことがあります。当時のベストセラーに心理学者の岸田秀氏が書いた『ものぐさ精神分析』があります。この生徒はこれをネタに、どんな問題が出ても、(3)を、

〈人間は本能の壊れた動物である〉

 で始めたのです。それを課題のテーマと結びつけて論じるのですが、2回に1回はすごく独創的な面白い論文になる。逆に言えば2回に1回は大失敗するので要注意なのですが(笑)、この手法は生徒の個性によっては有効です。ちなみに、彼は、早稲田大学の小論文では失敗して落ちましたが、慶應義塾大学では成功し、合格しています。


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 こうした手法が有効なのは、小論文においては、頭のよさを見せるということがたいへん重要だからです。小論文とは頭のよさをアピールするゲームだと考えていい。だから、本来は課題とストレートにつながっていない根拠であっても、それをうまくつなげることで、独創的な論を展開できれば、大きなアピールになります。

 すると、受験生としては、すべての問題に対応できるようにあらゆる知識を詰め込む、といったことをしなくともよいことになる。自分の得意なネタをできるだけ広い分野で10個くらい持てば、それらを使って何とか合格できる答案にたどりつくことができます。

すべての文章は「4部構成」で書ける

 この「4部構成」の書き方は、じつは小論文だけでなく、すべての文章に当てはまります。たとえば、小論文対策によく読めと言われる新聞の社説などは、見事にこの構成になっています。先ほどの「憲法改正」の例題なども、どこかの新聞の社説で読んだような文章ですね。

 学術論文だって、基本的にはこの構成です。

(1)論文で証明することは何かを明示する(イエス・ノー)。(2)先行研究に触れながらも、自説のどこが違うかを示す(たしかに・しかし)。(3)データを示しながら根拠を示す。(4)結論を示す。

 限られた時間の中で書かなくてはならない小論文の場合はとくに、構成であわててしまったり、自分が何を書いているのかわからなくなったりしてはどうにもなりません。あらかじめこの型をしっかり身につけておく、すなわち論理的に書く練習をしておくことがいちばん大切なのです。

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(樋口 裕一/文春ムック 文藝春秋オピニオン 2019年の論点100)


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