涙ぐんだ10分後にあっけらかんと笑い出し……

 妖艶な勝負服に裁判担当記者は「普通、被告人は謙虚さを印象付けようと努めるのに」と苦笑する。

 被告人質問2日目は一転、黒いジャケット姿の胸元を白い服で埋めたシックな装い。克行氏から資金提供について、「あんたは知らない方がいい」と言われ、「私の選挙は私に知る義務があるし、責任もある」と言い返した場面に言及した際は、涙に声を詰まらせた。だが、10分後にはあっけらかんと笑い出すなど、法廷を舞台に喜怒哀楽を情感たっぷりに表現する。

 一方で、検察の反対尋問で事実関係を詰められると「記憶にない」を連発し、計7時間のやりとりの中で100回以上も答えを避けた。追い込まれているはずの“主演女優”だが、その眼には勝ち気さが漲っていた。

 一審判決は年明けに下る。

(常井 健一/週刊文春 2020年12月3日号)