枝野幸男氏が特別寄稿「オフレコ発言と政治記者の関係」

「ああいった(加計学園問題の)国会審議を続けてもしょうがないだろ」(安倍首相)「民進党全員で希望の党に合流すると聞いたよ」(枝野代行代行=当時)など、直に聞いた政治家たちの肉声を赤裸々に描いて話題の 『恩讐と迷走の日本政治 』 。同書の主役のひとりともいえる立憲民主党代表・枝野氏が、親しくも緊張感にはらむ記者との関係を明かす。

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対立する双方当事者から本音を引き出す


『恩讐と迷走の日本政治 記者だけが知る永田町の肉声ドキュメント』(青山和弘 著)

 本書は、昨年秋の総選挙を中心とした政治の激動を、同時進行で積み重ねられた取材結果に基づき、背景にまで迫って全体像を描いた政治ドキュメントである。

 実は、政治部の記者が政治ドキュメントを執筆するのは難しい。政治が「ドラマ」性を帯びて読み応えあるドキュメントとなるのは、立場の異なる当事者間の対立や緊張が極度に顕在化する場面であり、取材によってその双方から「秘話」や「本音」を引き出すことではじめて、内容の深みがでる。一方の当事者を詳しく描きこむことで全体像を示すことも可能ではあるが、対立する当事者双方に深く食い込み取材することで、全体像がより見えやすくなるのは間違いない。

 ところが、多くの現場の記者は、原則として担当制であるため当事者の一方にしか取材しない。デスクや政治部長等のベテランは、現場から距離が出て当事者に直接取材する機会が大幅に少なくなる。しかも、政治家から「公式見解」を超える本音を引き出すには、相当な信頼関係が必要である。対立する双方当事者から本音を引き出すには、双方から信頼を得る人間力が欠かせない。

 私は、著者の青山和弘氏と、まだ30歳そこそこの若手議員であったころから、記者と取材を受ける政治家という立場で、20年来の付き合いである。最初から、人当たりが良く取材力があるというのが印象であった。そして、ベテラン記者と呼んで良い立場になっても、マメに現場の当事者に直接取材するためフットワーク軽く動いている。

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