『SDGs入門』(村上芽・渡辺珠子 著)

 SDGs(エスディージーズ)とは「Sustainable Development Goals」の略。訳は「持続可能な開発目標」。「貧困を終わらせる」「ジェンダー平等を達成する」「持続可能な生産消費形態を確保する」など、17個の目標が1セットになった、世界共通の成長戦略のようなもの。2015年9月の国連総会で採択されたが、それを実現するのは企業か自治体か、それとも個人か? また、実現するために、具体的にどのような取り組みを行えばいいのか? そんな数々の疑問に、丁寧に答える入門書がヒット中だ。

「昨年の猛暑やオーストラリアの森林火災など、気候変動が身近な問題として感じられるような出来事が相次ぎ、環境問題への関心が高まっているのが好調の一因だと感じています。著者の村上芽さんと渡辺珠子さんはSDGsの専門家。セミナーやワークショップの経験も豊富で、そこで培われたわかりやすい語り口を活かすことを意識して編集しました」(担当編集者の雨宮百子さん)

 日経文庫の主な読者はビジネスパーソン。本書もまずそこに届いたが、今は意外な広がりを見せている。

「中学校や大学の入試問題対策として読まれているそうなんです。SDGsはこれからの時代を生きる人の問題でもありますから、結果的にいろいろな世代の方に手にとっていただけてありがたいです」(雨宮さん)

2019年6月発売。初版7500部。現在12刷6万8000部

(前田 久/週刊文春 2020年2月13日号)