米国生まれの和風アクションゲーム「Ghost of Tsushima(ゴースト・オブ・ツシマ)」(PS4)が人気を博しています。世界で売れるだけでなく、日本でも「素晴らしいゲーム」を意味する「神ゲー」という評価もよく目にします。厳しい論調になるネットで、ここまで持ち上げられるのはなぜでしょうか。

3日間で世界240万本の大ヒット「Ghost of Tsushima」とは


舞台は鎌倉時代。「元寇」がテーマになっている ©2020 Sony Interactive Entertainment LLC.

 舞台は13世紀後半、日本では鎌倉時代です。ユーラシア大陸を席巻したモンゴル帝国の末裔(まつえい)である中国王朝の「元」は、日本侵攻のため対馬に上陸。大軍を相手に対馬の武士はわずかな兵で戦いを挑みますが壊滅させられます。しかし、かろうじて生き残った誇り高き武士・境井仁(さかい・じん)は、武士の戦いを捨てて敵をなぎ倒していく……という内容です。

 同作は発売前から、ゲームファンの間で注目されていた一作でした。ゲーム発売の動画を見て、バリバリの和風テイストに、心を躍らされていました。私ももちろんその一人ですが、同作に目をつける関係者は多かったようです。

 そして発売すると、凝った箱庭世界と、時代劇映画のような刀のアクションに、ユーザーから絶賛の声が続出。ソフトの発売から3日間で世界240万本を出荷するなど、世界で人気となりました。日本のセールも好調でして、ゲーム雑誌「ファミ通」によると、7月17日から9月6日までの約2カ月で39万本を販売しています。ダウンロード販売も含めると、推定ですが50万本は突破しているでしょう。

理由その1 鎌倉時代は「ブルーオーシャン」

 これほどのヒットの理由を考えてみると、まず鎌倉時代の対馬という舞台がよかったことがあげられます。広大な箱庭世界を構築して、その中をプレーヤーが自由に遊ぶ「オープンワールド」と呼ばれる作品はいくつもあります。しかし、ほとんどがファンタジー世界か、現代の欧米世界を再現したもの。鎌倉時代の対馬は、明らかに異色なのです。

 和風の世界……日本を強く意識したゲーム自体は、当然ながら珍しくありません。しかし、その舞台は、知名度の高い武将のいる戦国時代に偏っています。織田信長や豊臣秀吉などの武将は“起用”されすぎて、イケメン化が進み、果ては女性化もされています。つまり、使い古された感が強く、さらに多くのゲーマーも知識が蓄積されて、あまり驚きがありません。しかし、鎌倉時代の対馬となれば違うわけです。