食は人の営みを支えるものであり、文化であり、そして何よりも歓びに満ちたものです。そこで食の達人に、「お取り寄せ」をテーマに、その愉しみや商品との出会いについて、綴っていただきました。第12回はラーメン評論家の大崎裕史さんです。

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 コロナ禍で通販ビジネスが伸びるのでは? と思い、我が社でも通販ラーメンのまとめサイトを立ち上げた。少し後に「文春マルシェ」が立ち上がり、興味津々。しかも、通販や味覚に関しては信頼のおける友人も参加するとのことで、まずは目に付いた「凪の担々麺」を食べてみた。

 私の大好きな凪の「すごい!煮干ラーメン」では食べたことがなかったので同じお店なのか不安だったが、間違いなくあの「ラーメン凪」とのオリジナル開発商品とのこと。「凪」は豚骨と煮干で知られているが、業界初の365日日替わり麺を開始。 述べ1000以上の創作ラーメンを作りだし、創作能力には長けている。しかも味覚に厳しい担当と組んだとあらば「鬼に金棒」であろう。しかし、それは食べてからの判断だ。 


新宿ゴールデン街に店を構える「ラーメン凪」

 まずは「汁あり担々麺」から。通販にしては袋数も多い。スープと麺のみの通販が少なくないが「通販のみの商品」とした時に作り方も変わってくるというのが大事。麺、スープ、肉味噌、ターサイ、ラー油、花椒。

「すごい!煮干ラーメン」が作るので「すごい!担々麺」ができあがると思ったら意外にも王道の「担々麺」だった。担々麺激戦区である神保町や赤坂でも通用する威風堂々のたたずまい。豚骨ベースに豆板醤や芝麻醤、ピーナツバターなどを駆使し、味はもちろん申し分なし。綺麗なラー油は見た目以上に強力で私は半分にしたがそれでもなかなかの辛さ。

 しかもこのラー油、これだけでもおいしい。痺れ具合は花椒で調整。私は痺れ好きなので全投入。麺は意外にも細ストレート。しなやかでなめらか、さすがの相性は自家製麺ならでは。中国野菜のターサイがいいアクセントになっていて個性を発揮。

 いや〜おいしかったなあ〜。これを食べて「凪の担々麺」と当てられるラーメン評論家が何人いるだろうか? 当てられないはず。なぜなら「凪×文春マルシェ」のコラボ商品で随所に担当の知恵が入っていることが想像できるハイクオリティだから。