そんなつもりじゃないのに「赤ちゃんが泣き止む」絵本の秘密 


『もいもい』(市原淳 作/開一夫 監修)

 黒いベースの上に描かれた、カラフルで謎めいた勾玉(まがたま)のような存在。タイトルも不可思議だ。しかしこれは、赤ちゃんを強く惹きつけると科学的に実証された絵なのだという。そんな東京大学でのアカデミックな研究の知見を活かして生まれた絵本が、人気を集めている。

「東京大学という名前から、知育に役立つ絵本を期待されるかもしれません。しかし監修者の開(ひらき)先生は、とにかく赤ちゃんがじっくり見る絵本を作ろうと本書を企画したのです。そうした絵本があれば自然と親子の接する時間が増え、コミュニケーションが生まれてよい影響があると考えておられるんです」(担当編集者の堀部直人さん)

 ヒットの起爆剤はテレビの情報番組。読者が増えるに連れ、研究内容を超える意外な声も届き始めた。

「『赤ちゃんが泣き止みました』という反響にはおどろきました。どれだけ泣いていても、この絵本を見せると思わず目が向くのだとか。実験によって証明されていないので、本書のコンセプトからするとこの点を推すことに若干抵抗があるのですが(笑)。あとは特別支援学校で、他の本には集中できないようなお子さんに楽しんでいただけているようです。『見る』というコンセプトに特化したことが、思わぬ魅力にも繋がったようですね」(堀部さん)

 同じ研究から生まれた『うるしー』『モイモイとキーリー』の2冊も好調だ。

2017年7月発売。初版9000部。現在13刷14万部

(前田 久)


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