いまや、尹錫悦検察総長の派閥と分類される検事たちは、地方に飛ばされるか、捜査と関係のない部署に異動させられて、完全に捜査の中枢から排除された。現政権の不正疑惑をめぐる捜査もすべて中止されてしまった。

 文在寅政権の宿願である検察「改革」が、検察「掌握」を意味するのなら、秋氏は法務長官としての使命を忠実に果たしている。

韓国国民から「最も嫌われる閣僚」に

 いまや、秋長官の息子の疑惑の渦中にある国防部内でも、秋長官に対する忖度が疑われるような事態が起きている。
 
 国防部が、秋長官の息子の病気休暇について「やむを得ない場合には電話で休暇を延長することができる。(秋氏の息子の)休暇の手続きに問題はない」との見解を示したが、この見解が与党議員との協議を経た上で出されたものだったことが分かったのだ。

 さらに、複数の与党議員が、この疑惑を最初に報じた「日曜新聞」に疑惑を暴露した当直兵士A氏に対して、実名や顔写真をSNSで公表し、「誰が彼に指示したのか背後を明らかにしなければならない」などと書き込み、圧力をかけている。

 今年1月から、秋長官の息子の疑惑を捜査しているソウル東部地検は、法務部の人事発令によって秋氏の側近が牛耳っている。

 これまでの捜査チームは、秋氏の補佐官が部隊に電話をかけたとの内容を陳述書から削除して隠蔽した疑惑などが持たれたが、8月の人事異動で最高検察庁や中央地検など、検察組織の中枢ポジションに昇進してしまった。

 いまや秋長官は、韓国国民から最も嫌われる閣僚になった。8月に実施された世論調査では、「文在寅政権の運営に最も障害になっている人物は?」との質問では、秋長官が圧倒的な1位に。一方で、尹検察総長は一気に有力な次期大統領候補にまで浮上している。

 政権からの信頼を得たが、国民から嫌われた秋氏。9月の第1週の世論調査の結果によると、韓国国民の51%が今回の事件で秋長官が辞任すべきだと考えている。
 
 政権と与党の支持率にも影響を与え、いまやその数字は急落している。文在寅大統領はいつまで秋氏を支え続けられるのだろうか。

(金 敬哲/Webオリジナル(特集班))