尖閣諸島周辺での中国の動きが活発化している。

 今年4月14日に尖閣諸島周辺の接続水域に中国当局の船が侵入。そこから8月2日まで、111日連続で尖閣諸島周辺で中国公船が確認された。これは2012年の尖閣諸島の国有化以来、最長の連続日数となる。さらに今年5月には中国の警備船が日本の漁船を追いかけ回すという事件があった。同様の動きは7月と10月にもあり、10月には過去最高となる連続57時間39分にわたって中国公船が領海内に留まった。

 今、尖閣で何が起こっているのか――。


尖閣諸島

 海洋学者として長年尖閣の問題に携わり、現地でのフィールドワークを続けてきた東海大学海洋学部教授・山田吉彦氏が、「文藝春秋」12月号のインタビューでその実態を語った。

中国が仕掛けてきた“罠”

「中国は尖閣での攻勢において、物量作戦に入りました。船も人員も数で圧倒的に劣っている日本の海上保安庁は、ギリギリのところで踏ん張っている状態です。

 海上保安庁は、2016年から、沖縄地区を管轄する第11管区海上保安本部の石垣海上保安部に600人、巡視船12隻体制からなる尖閣領海警備専従部隊を配置し、尖閣の警備を推進してきました。

 その石垣保安部が、機能不全に陥っているのです。通常は12隻のうち4隻が海に出て、4隻が出動準備、残る4隻は待機となっています。10月中旬に石垣島を訪ねましたが、専従部隊はフル稼働でした。中国の船が大正島と魚釣島に分かれて押し寄せてくるようになったので、広範囲に展開しなければならない。この2島は100キロ以上も離れていて、カバーするのは大変なことです。現在は8隻が海に出て、4隻が出動準備状態。隊員たちは休みなしの状況です。

 さらに中国は、8月に尖閣に出動させるつもりで集めていた船を、日本海に差し向けています。海保は日本海のカバーにもリソースを割きたいけれど、尖閣で手一杯――逆に言えば、これが中国の罠なのです」

 これまでを振り返ると、中国の日本に対する“宣戦布告”は、2010年9月7日の「尖閣諸島中国漁船衝突事件」だった。