三越伊勢丹が千葉店など閉店 新経営陣は労組と「対話」重視 改革遅れる懸念も

三越伊勢丹が千葉店など閉店 新経営陣は労組と「対話」重視 改革遅れる懸念も

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)は20日、三越千葉店(千葉市)と三越多摩センター店(東京都多摩市)を閉店した。同社は業績が振るわない地方と郊外の店舗を整理し、東京都心の旗艦店に経営資源を集中する構造改革を進めてきた。しかし、旗振り役の大西洋社長は労働組合などの反発を受けて3月末に辞任する。4月に発足する新経営陣は労組との「対話」を重視する方針だが、対話に時間をかければ構造改革は遅れ、経営は悪化する「負のスパイラル」に陥る懸念がある。(大柳聡庸)

 33年の歴史に幕を閉じた三越千葉店には、午前10時の開店を前に約550人の行列ができ、店側は急遽オープンを5分早めた。訪れた客からは「閉店するのは寂しい」(60歳代男性)と惜しむ声も聞かれた。

 千葉店はバブル期の平成3年度に507億円の売上高を誇ったが、27年度の売上高は約4分の1の126億円まで激減した。多摩センター店も、19年度に70億円あった売上高が27年度には63億円と1割減った。

 大型ショッピングセンターやネット通販の台頭などで、百貨店を取り巻く経営環境は厳しい。特に、地方は高齢化が進行し、訪日外国人の恩恵も受けにくいため苦戦している。

 大西社長は昨年11月の記者会見で、松山三越(松山市)など4つの地方・郊外店を売り場縮小などの構造改革の対象に挙げた。だが、機関決定していないタイミングで具体的な店舗名を挙げたことに労組などが反発。大西社長が辞任するきっかけとなった。

 それでも、三越伊勢丹HDにとって不採算店舗のリストラは避けて通れない。大西社長が挙げた4店舗は、いずれも28年4月〜29年2月の累計売上高が前年同期の実績を下回る。4月に社長に就任する杉江俊彦取締役専務執行役員も「地方店は何らかの手を打つ」と強調する。

 一方で杉江氏は、5月に新しい構造改革案を示す予定で、その際に労組や従業員との「対話を重視する」としている。

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