「院政」に投資家から鋭い視線 議論を呼ぶ相談役・顧問制度、企業側の意識は

 ■「院政」に投資家から鋭い視線

 企業の相談役・顧問制度に、投資家の鋭い視線が注がれている。経営トップが退任後にこうした役職に就いて「院政」を敷くことで、「経営の判断がゆがめられるのではないか」との懸念があるためだ。アンケートで相談役・顧問制度の有無を尋ねたところ、「ある」と回答した企業は、全体の約9割に上った。

 現職の役員や役員経験者が現在、相談役・顧問に就いている企業は、無回答を除いて88%。相談役・顧問の数は、「1〜4人」が56%を占めて最も多く、「5〜9人」(22%)が続いた。「10人以上」は11%で、このうち「20人以上」も1社あった。

 相談役・顧問に関しては、どんな役割を担っているのかが外部からは分かりにくいという問題がある。実態を複数回答で聞いてみると、「現経営陣への指導や助言」と「業界団体や財界での活動」がともに約3割を占めてトップだった。「顧客企業との取引関係の維持や拡大」は13%、「審議会委員などの公益活動」は5%だった。

 このほか、経営陣候補や専門家などの「人材育成」(建設)や、社会貢献活動への参加などによる「ブランド価値の向上」(エネルギー)などの回答が目立った。「社外団体活動への参加や、冠婚葬祭への出席を通じた顧客や地域との結びつきの強化」(電機)、「役員退任から子会社役員就任までのつなぎ」(通信)との回答もあった。

 一方で、相談役・顧問制度を持たない企業は12%だった。理由としては「説明責任や必要性を踏まえ、2004年ごろを節目に事実上廃止した」(化学)、「退任した役員が社外で貢献する機会を作るため」(製薬)などと説明している。

 相談役・顧問制度のあり方は今年の株主総会でも主要なテーマだった。東京証券取引所は来年から、上場企業約3500社に対し、相談役・顧問の氏名や業務内容、報酬額といった情報の開示を求める。

 企業側に今後の対応を聞いたところ、「現状のまま維持する方向」との回答が、すでに見直した企業を一部含むものの9割を超えた。「制度を見直して維持する方向」は5%、「廃止する方向」は3%にとどまった。これだけ注目されているにもかかわらず、企業側の動きの鈍さが浮き彫りになった。

 とはいえ、相談役・顧問制度が批判的に見られていることに、企業側も敏感になっているようで、多くの企業は「相談役・顧問が経営会議に出席することはない」(保険)などと経営への影響は否定。「過去の成功事例に固執することは、会社の衰退につながりかねない。退任した役員はそのことを自覚すべきだ」(食品)という厳しい意見もあった。

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