インド、学校トイレ3割使えず 故障・閉鎖…環境改善に課題

 インドは、衛生環境の改善を目指す「クリーン・インディア」運動を推進中だが、課題も浮上しているようだ。同国非営利団体(NPO)のASERセンターが2016年に作成した「年次教育報告書(ASER)」によると、地方部の公立小学校の9割以上にトイレが設置された一方で、うち3割ほどが使えない状況にあったという。現地経済紙エコノミック・タイムズなどが報じた。

 同センターは報告書の作成にあたり、地方部の公立小学校1万7473の訪問調査を実施した。調査対象となった小学校のうち96.5%でトイレが設置されていたものの、設置された設備の27.8%が故障や閉鎖などで使用できず、実際に使用可能な設備のある小学校は全体の68.7%だった。

 また、西部マハラシュトラ州では使用可能なトイレを備えた学校が全体の68.0%だった一方で、女子生徒が使用可能な設備のある学校が62.5%にとどまるなど、全国的にみて女子のための環境整備が男子と比較して遅れていることも分かった。地方部では未就学率・中退率で女子が男子を上回っており、衛生施設の不備も主要因ともされる。

 10年から16年の間にトイレを備えた学校の割合は7.4%拡大した。しかし、中央政府の実施する衛生関連調査などでは、設備の使用可否まで調べていないことから、実態は数値ほど改善されていないとの声が上がっている。普及に注力するあまり、使用状況への関心が薄いとの指摘だ。

 世界銀行の08年の調査によると、インドの不衛生な環境による経済損失は年538億ドル(約5兆8744億円)に達した。現在でも衛生環境が国民の健康状態に影を落としているとの指摘も後を絶たない。クリーン・インディア運動を進める中央政府の手腕が問われている。(ニューデリー支局)

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