日産 スカイライン

普段はなかなか体験できない定常円旋回

雪上を思いっきり走る機会は、そうそうあることではない。
今年1月に、日産が冬の北海道にて雪上試乗会を開催した。例年に比べると北海道でさえも積雪量が少ないという。
しかし、特設コースをはじめとした様々なシチュエーションで、日産の各モデルに試乗し、その性能を確認することができた。
今回は、普段なかなか体験することができない「定常円旋回」によるテストの様子をレポートする。
定常円旋回とは、アクセルとステアリングのコントロールにより、同じ場所で円を描くようにクルクルと車を回らせる動作だ。
これは、一般的には一定のステアリングの舵角で速度を変え、ステアリングの特性を吟味することが目的のテストだが、今回のように滑りやすい雪上ではスタビリティ装置の性能を知ることができる。
ここで試乗したのは、商用車のNV350キャラバンとFRセダンのスカイラインの2モデル。
そこまで広くはないテストエリアだが、性能を確かめつつ、VDC(ビークルダイナミクスコントロール)のONとOFFを切り替え、ドリフト時のコントロール性を楽しむことができた。
では、それぞれの様子をお伝えしよう。

大柄なボディだからこそ、4WDの恩恵は大きい日産 NV350キャラバン

最初はNV350キャラバンだ。用意されたのは、ディーゼルの4WD、ミッションはATの仕様だ。
エンジンは決して静粛性が高いとは言えないが、商用車用のエンジンとギア比のため非常にトルキーである。
この4WDはパートタイム式で、スイッチひとつで2WDと4WDを切り替えられるのだが、最初は4WDの状態で走らせる。
レスポンスが上々なのは空荷のせいかもしれないが、荷物を積んだ状態でも心強いのだろうという感じがする。
日産 NV350キャラバン
日産 NV350キャラバン
日産 NV350キャラバン
ステアリングを切っても外側へとふくらむのは、前後のトルク配分が50:50の直結状態あるためだ。
走破性は良いが、ステアリングを切るだけではフロントが外にふくらみ曲がらない。アンダーステアが強い状況だ。
そこからステアリングできっかけを作り、リアを滑らせてみる。
フロントタイヤの切れ角を最小限にしてコントロールするが、このモデルにはLSD(リミテッドスリップデフ)が装着されていないので、レスポンスよく曲がっていかない。
パートタイム式の4WDを小さなエリアで上手に滑らすのは難しい。
せっかくなので、今度は2WDの状態にして走ってみた。ビックリするほど前に進まない。
アクセルを細かくコントロールし、前に進めながら滑らせ、小回りを利かせる。
中央に置かれたパイロンを軸に回ろうとするが、空荷で大柄の車体は思った以上に慣性が大きい。
雪になると、都内でもワンボックスがコントロール不良になる理由がよくわかる。
日産 スカイライン

雪上でもわかる素直なコントロール性日産 スカイライン

続いては、ガソリンモデルのスカイラインだ。
初めはVDCをONの状態でコースイン。驚くほど旋回性がいい。
細かい前後の制御によりアンダー傾向にはなるが、パイロンを中心によく曲がる。
あらためて電子デバイスの制御のすごさに驚く。
日産 スカイライン
次はいよいよOFFにして走り出す。これは楽しい。
レンジはマニュアルモードでホールドの状態だ。
ステアリングをちょんと切り込みながら、スロットルコントロールでリアを滑らす。
ゼロカウンターの状態で、アクセルのコントロールのみでフロントを軸にして回転する。
慣性がついてアングルが深くなったときに、ステアリングを意図的に操作しコントロールする。
電子制御の入ったバイワイヤー式のステアリング機構は、ナチュラルでダイレクト感があって楽しめた。
こういった状況下でも、トルク特性がフラットで素直なコントロール性をもっていることが理解できる試乗となった。
日産 スカイライン
文/松本英雄、写真/日産