猫の"スリスリ"って、そもそも何?


愛猫がスリスリしている姿って、とってもかわいいですよね♡ でも、みなさんは猫がどうしてスリスリをするのか…その理由を知っていますか? 帝京科学大学の加隈良枝先生によると、なかには注意したほうがいいスリスリもあるのだとか。この記事では、猫のスリスリの種類についてくわしく解説します! まずは、知っているようで知らない人も多い、猫の"スリスリ"について見ていきます。

■スリスリは、マーキングの一種
猫は、縄張りを守ろうとして自分の"ニオイ付け"をする習性があります。その行動を「マーキング」といいますが、スリスリはその一種に。猫は、"爪とぎ"や"スプレー"でもマーキングをしますが、もっともよくする方法がスリスリだと考えられます。

■スリスリしてニオイの分泌腺をこすり付けている
猫の体には、「臭腺」というニオイを発する分泌腺が複数あります。対象とする人や物、猫にその部分をこすり付けることで、マーキングをしているのです。

猫の体の臭腺のある場所は?


量は少ないけれど、脇腹にも臭腺は存在するという説があります。猫が脇腹をスリスリすることがあるので、信憑性は高いよう。また、加隈先生によると、「臭腺のある部分は、敏感なところ。こすり付けることは、猫にとっては気持ちがいい行動なんですよ!」とのことです。マーキングの一種でもある猫のスリスリは、おもに3つの種類に分類されるようです。

①人や物にする「安心するためのスリスリ」


■自分のニオイを付けて、安心することが目的
スリスリ行動の本来の意味合いである、縄張りへのマーキングの意味合いが強く表れているのが、このスリスリです。人や物に対して、「自分のもの」という"しるし(=ニオイ)"を付けて、安心しようとしています。縄張りである部屋に知らないニオイがあるとき、よくする傾向に。

このようなスリスリがよく見られるシーンとしては……
・お風呂あがりのときに、飼い主さんにスリスリ(→入浴後の飼い主さんに、自分のニオイを上塗り)
・帰宅したときに、飼い主さんの靴や足などにスリスリ(→飼い主さんから放たれる外のニオイに反応)
・宅配便がきたとき、箱や中身などにスリスリ(→知らないニオイを敏感に察知)
・来客があったときに、お客さんの足や荷物などにスリスリ(→来客のニオイまで自分のニオイに)
などといったことが挙げられます。

②人にする「アピールするためのスリスリ」


■おねだりの手段として、スリスリをしている!
猫は、人に何らかのアピールをしたいときに、スリスリをすることがあります。これは本能的というよりは、猫が自ら学習して得た技といえます。「たまたま飼い主さんに"スリスリ"したら、ごはんをくれた」などの過去の体験から、スリスリをすることで人に要求を通そうとしているのです。
「アピールするためのスリスリ」は、人だけでなく、近くにある物にする場合もあります。たとえばパソコンを見ているときに、猫がパソコンの角などにスリスリするのも、アピール表現の一環。

このようなスリスリがよく見られるシーンとしては……
・何かに集中しているとき(→集中している飼い主さんに自分の存在をアピール)
・朝、寝ているとき(→寝ている飼い主さんに起きてほしくて)
・ごはんの用意をしているとき(→「ごはんが早くほしい」と直接的に要求)
・なでるのをやめたとき(→「もっと」の気持ちから自らこすり付ける!)
などといったことが挙げられます。

③おもに猫にする「仲間意識のスリスリ」


■親愛表現としてのスリスリ行動
猫は、親しい猫に対してスリスリの行動をします。これは、いわゆる猫の"あいさつ行動(=ニオイによるコミュニケーション)"のひとつ。自分のニオイを相手に付けながら、相手のニオイも確認しています。スリスリしている時間が長いほど、友好的な関係が築かれているといっていいでしょう。

このようなスリスリがよく見られるシーンとしては……
・同居猫がそばにいるとき(→仲よし猫同士でニオイを共有)
が多いでしょう。

なかには気をつけたいスリスリも…!


猫のかわいいスリスリですが、加隈先生によると、なかには気をつけたいスリスリもあるようなのです。

①スリスリを頻繁にする→ストレスの可能性も!
スリスリする頻度が極端に高い場合は、ストレスが原因の恐れも。また、単に「かゆい」という理由でスリスリすることもあると思いますが、病気が原因のかゆさで、スリスリする場合もあります。頻繁にこすり付けている箇所があればチェックして、動物病院で相談してみましょう。

②引っ越しの際は、愛猫がスリスリしていたものを持ち込んで!
猫は、自分のニオイがないことを非常に不安に感じます。引っ越しの際は、愛猫がスリスリしていたものを必ず持ち込んであげましょう。

解説を参考にしながら、飼い主さんは愛猫のスリスリに異変があったらすぐに気づいてあげられるようにしたいですね。

参考/「ねこのきもち」2016年8月号『シリーズ第二弾 だって猫だもの 今日も"スリスリ"しています 猫の「こすりつけ行動」、その本当の気持ちは?』
(監修:帝京科学大学生命環境学部アニマルサイエンス学科准教授 加隈良枝先生)
※一部の写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
文/雨宮カイ