次世代に飛躍する千葉時代の幕開け 【新春放談2018】(上)

次世代に飛躍する千葉時代の幕開け 【新春放談2018】(上)

2018年の幕開けに今年の千葉県の展望を語り合う「新春放談」。今回は「次世代への飛躍〜光り輝く千葉を目指して〜」をテーマに、森田健作知事や佐久間英利千葉銀行頭取、小林敏也京成電鉄社長が、2020年の東京オリンピック・パラリンピック(オリ・パラ)の準備やチバニアン(千葉時代)の吉報に沸く千葉県のさらなる躍進へ意見を交わした。

出席者
森田 健作氏 千葉県知事
佐久間 英利氏 千葉銀行取締役頭取・千葉県経済同友会代表幹事
小林 敏也氏 京成電鉄代表取締役社長

司会
萩原 博 千葉日報社代表取締役社長

アシスタント
長谷部真奈見

◆17年を振り返って



 萩原 あけましておめでとうございます。昨年11月には市原市の地層が地球の歴史の一時期の境界を示す貴重なものと分かり、チバニアンと命名される見通しとなりました。

 長谷部 チバニアンは世界に光り輝くニュースとなっています。2018年「新春放談」は、ゲストの皆さんから「次世代へ飛躍する輝く千葉づくり」をお話しいただきます。

 萩原 昨年は県にとってどのような年でしたか。

 森田 昨年3月の知事選で多くのご支持をいただき、3期目も全力で頑張ろうと心を新たにしたところです。

 そして、次世代のことをしっかり考えようと、10月に新たな総合計画「次世代への飛躍 輝け!ちば元気プラン」を策定しました。人口減少、少子高齢化などの問題を一つ一つ解決していきたいと思っています。

 オリ・パラまで3年を切りました。役割分担や費用負担の大筋合意で、大会準備も加速しました。また、3年前イベントの開催で大会に向け大いに盛り上がりました。

 東京湾アクアラインは開通から、20周年を迎えました。アクアライン割引の実現で交通量が2・2倍となり、木更津周辺の人口が増えました。大規模商業施設が出店し、雇用が5千人以上増え、小学校も33年ぶりに開校しています。アクアライン割引の継続により、本県のみならず、首都圏に大きな経済効果をもたらしているところです。

 それからチバニアン。千葉県の大事な宝にして、次世代に引き継いでいきたいと思います。

 萩原 千葉銀行にとってはどうでしたか。

 佐久間 昨年は当行にとり、将来にわたって成長していくための新たな一歩を踏み出した年となりました。昨年4月から第13次中期経営計画をスタートさせています。

 さらに、埼玉県が地盤の武蔵野銀行と「千葉・武蔵野アライアンス」を推進し、首都圏全体でシェア拡大を目指しています。昨年4月にはちばぎん証券が武蔵野銀行と金融商品仲介業務を開始し、埼玉県内に4店舗をオープンさせました。法人部門でも昨年10月に共同で事業承継ファンドを設立し、サポート態勢を整えました。

 先進的な金融サービスを調査研究する目的で発足した地銀6行の「TSUBASA(つばさ)アライアンス」は地域の枠を超えた連携を進めています。昨年4月、6行の共同出資会社「T&Iイノベーションセンター」がフィンテックビジネスコンテストを初めて主催しました。これをきっかけに、地方創生につながるビジネスをひとつでも多く実現させたいと考えています。

 また、女性の活躍を広く促すため、「輝く女性の活躍を加速するちばのリーダーの会」発足の呼びかけを行いました。今後も県や県内企業・団体と連携を深めたいと考えています。

 萩原 小林社長にも伺います。

 小林 私は昨年6月に京成電鉄社長に就任しました。京成グループは鉄道・バス・タクシーの運輸業がコア事業ですので、安全・安心を第一に、業績向上に努め、千葉県発展に貢献したいと思います。

 昨年は訪日外国人の増加に伴い、鉄道事業が好調でした。11月1日には「スカイライナー」をご利用のお客さまが、2010年の成田スカイアクセス開業からおよそ7年で2500万人を達成しました。また、成田空港と東京駅を結ぶ格安高速バス「東京シャトル」も、7月6日に500万人を達成しました。

 県と連携した沿線観光スポットを巡る日帰りツアーの実施や「成田開運きっぷ」等の発売を通じた沿線への誘客のほか、沿線の人口増へ千葉市と習志野市でマンションも分譲しました。

◆県内の経済状況



 萩原 昨年の経済について、金融の専門家の立場にある佐久間頭取からお話しいただけますか。

 佐久間 国内景気は底堅い内外需に支えられ、企業業績が回復し、緩やかな回復が続きました。

 県内経済は都市部を中心に人口流入が続き、交通インフラの整備やホテル建設などに支えられ、堅調に推移しています。オリ・パラの開催も控え、明るい材料が多いと感じています。

 オリ・パラについては昨年7月、県内主要経済6団体による支援組織「みんなで応援!千葉県経済団体協議会」が立ち上がり、多くのお客さまをお迎えする体制が整いました。

 オリ・パラの経済効果は競技会場周辺に留まりません。大会期間中だけでなく今からこうした効果を享受できるようオール千葉で取り組んでいくことが重要です。

 萩原 オリ・パラ関連でにぎわう県内経済を押し上げるため、県はどのようなことを行っていますか。

 森田 県内企業の99・8%は中小企業です。積極的な設備投資を支援するために、県は中小企業振興資金の過去最大の融資枠5700億円を継続しています。同時に「ちば中小企業元気戦略」を年度内に策定し、中小企業施策の充実も図ります。

 「茂原にいはる」・「袖ケ浦椎の森」の両工業団地も大変好評です。企業誘致セミナーも開催し、多くの企業の皆さまにしっかりとアピールしてきました。今後とも、戦略的な企業誘致を進めていきます。

 また、台湾では原発事故の影響で、千葉県など被災県の農林水産物がもう6年も輸入禁止にされています。昨年、台湾を訪問し、「本県の農林水産物が安全であること」「輸入規制は科学的根拠をもって行うべきこと」を訴えてきました。今後とも輸入規制の早期解除に向けて積極的に取り組んでいきます。

 落花生の新品種も開発しました。甘みが強くきれいな白いさやが特徴です。愛称の発表は、今年の7月、販売は11月を予定しています。

 2月にはタイでトップセールスを行います。こうした輸出促進活動や新品種の開発を行うとともに、次世代の経営者が元気になる農林水産業を目指します。

 萩原 京成電鉄としては県内経済をどう考えていますか。

 小林 沿線人口の増加や雇用の改善等により、通勤定期を利用されるお客さまが増えています。買って住みたい街ランキングに船橋や津田沼など、沿線の街が入るようになっているのはうれしい話です。

 また、一昨年4月、成田市の公津の杜駅前に国際医療福祉大学が開学され、通学定期も増加しています。

 定期外も訪日外国人の増加に伴い成田空港輸送が好調に推移しています。行楽による増加も見られ、景気回復の効果が伺えます。

 今後も、オリ・パラや政策による観光推進で訪日外国人の増加傾向は続くと期待しています。

◆安全で豊かな暮らしの実現



 萩原 防災や防犯などの安全対策は重要な施策だと思いますが、いかがですか。

 森田 災害に備えるには、自助・共助・公助が不可欠です。県としても、県民、事業者、自主防災組織、市町村が一丸となって、災害に強い千葉県を目指しています。

 防災力向上のためには、幹線道路ネットワークの一層の強化も重要です。圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の大栄・横芝間については、関係者の皆さんと団結して、国に整備促進を要望していたところ、2024年度開通見込みとなりました。

 犯罪対策として、好評な移動交番車は今50台です。オリ・パラに向けて10台増やしていく予定です。

 防犯ボックスについては、市町村の設置に対して、2016年度に補助制度を創設し、昨年は4市町に開設されました。今春には茂原市、君津市も開設予定で、県内10カ所となります。さらに、防犯カメラ設置の補助制度も改正し、通学路などへの設置促進を図っています。「電話de詐欺」も新しく制作したコマーシャルを活用するなどの啓発に力を入れ、被害防止に取り組んでいきます。

 安心で質の高い医療サービスも重要です。県がんセンターは建て替えて医療環境の充実を図ります。県救急医療センターと県精神科医療センターも今後、一体的に再整備します。

 医師・看護職員の確保も大切です。修学資金の貸し付け等の取り組みを通して、確保と定着促進を進めます。そして、AED(自動体外式除細動器)や心肺蘇生法の普及促進にも力を入れ、安全で豊かな暮らしを実現していきます。

 萩原 京成電鉄でも安全に細心の注意を払っていると思いますが。

 小林 「安全の確保」は最大の使命です。鉄道のホーム上の安全対策として、目の不自由なお客さまのため「内方線付点状ブロック」の設置を進めています。昨年は「盲導犬ユーザー等対応講習」も実施しました。また、全駅に設置している「非常通報ボタン」で、列車を自動的に非常停止させることが出来るよう機能向上対策も進めています。

 踏切では、踏切内の異常を列車の運転士に知らせる「自動障害物検知装置」の高性能化等も進めています。災害への備えでは、高架橋、駅舎、斜面の補強や各駅への備蓄品の配備を行っています。

 また、定期的に訓練を実施し、社員の危機管理意識の高揚にも努めています。昨年はスカイライナー車内で不審物を発見したという想定で訓練を実施しました。

 安心の取り組みでは、AEDを全ての駅とスカイライナーに設置しています。

 萩原 千葉銀行ではどのような取り組みをしていますか。

 佐久間 「電話de詐欺」などの金融犯罪に対しては、各地域の金融機関防犯連絡協議会(金防協)と警察署が協力し、地域の皆さんへの声掛けや防犯訓練で、水際での阻止に努めています。昨年10月から高齢のお客さまのキャッシュカードによるお振込みを一部制限する取り組みも始めました。

 「くらしの安心」という点では、関心が高まる相続や事業承継の問題に充実した商品・サービスで対応しています。昨年4月から新たに遺言代用信託の取扱いを開始しました。今後もお客さまの財産保全に全力を尽くしてまいります。

 また、中小企業のオーナーの皆さまの事業承継についてもさまざまなツールをご用意していますので、お気軽にご相談ください。

【新春放談2018】(下)に続く

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