新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)が拡大する中国湖北省武漢市から帰国し、勝浦市のホテルに滞在していた141人が13日、国が用意したバスなどで帰路に就いた。12日の帰宅者と合わせ滞在者全員がホテルを後にした。ホテル前には市民ら約150人が駆け付け、横断幕を掲げて「お疲れさま」「また勝浦に来てね」と2週間にわたる不自由な生活をねぎらった。

 国のバス4台は午前8時10分ごろ、ホテルに到着。滞在者を乗せて同50分すぎから順次出発し、主要ターミナル駅や空港に向かった。国の担当者によると、午前10時50分ごろまでに会社や家族の車も使って全員が退出したという。

 滞在者を見送ろうと、駆け付けた市内の自営業、高橋健二さん(61)は、知人らと長期滞在をねぎらう横断幕を作って沿道に立った。高橋さんは「もっと勝浦を見てほしかった。これからひな祭りが始まり観光シーズンを迎える。ぜひ来てもらえれば」と呼び掛けた。

 千葉市の根本陽介さん(32)、妻の千紘さん(33)、娘の陽向ちゃん(1)の家族は、SNSで市民が見送りをすることを知ったという。陽介さんは「滞在者の生活は大変だったと思う。千葉県民として気持ちよく帰ってもらいたい」と表情を緩ませ、千紘さんは「(滞在者が)バスの窓から手を振ってくれた。元気に過ごせたのならよかった」と笑顔で話した。

 一方、ホテル内では、あす15日から1週間にわたり専門業者による消毒が行われる。その後もしばらく休業し、営業再開は3月1日を予定している。

 国の職員やホテルのスタッフなど、これまで滞在者をサポートした約100人も同ウイルス検査を11日に行い、全員陰性だった。国の担当者は「私たちもほっとした」と安堵(あんど)の表情を見せた。

◆入院者も陰性、帰宅

 ホテル到着後に感染が判明し鴨川市の病院に入院した1人について、国の担当者は、その後2回の検査とも陰性で、13日朝、他の滞在者とともに帰宅したと発表した。症状はなく、12日夜、ホテルに戻っていた。