昨年12月に千葉ロッテの球団社長に就任し、オーナー代行と兼務するようになった河合克美氏が千葉日報社のインタビューに応じた。球団トップとしての意気込みや今後の球団経営などを聞いた。

 −今オフは積極的な補強に動いた。

 強化するべき部分を想定し、ドラフトやトレードも含めて(補強の)計画はうまく進められた。

 −今年から順大の大学病院と提携。

 3、5年後に優勝を絶えず目指せるチームをつくるために、どの選手にも長く最高のパフォーマンスを出し続けてほしい。各選手がシーズン通して高いパフォーマンスを長年出し続けることができないと層は厚くならない。いろんな分野の先生と協力しパフォーマンスを維持できる選手を増やすことが目的。

 −安田尚憲内野手、藤原恭大外野手、佐々木朗希投手ら若手の育成方針は。

 高卒の選手に対してはじっくり育ってもらう方針。例えば安田選手に関しては昨季ファームで高い数字を残したが、地に足が着いた力がつくまでということで監督とコーチが我慢した。最低でも3年ぐらいはかかると思う。今季から育成プログラムをものすごく充実させた。体力面に加え、強いメンタルも育てる。

 −昨オフにデータ戦略を立てる「チーム戦略部」を新設した狙いは。

 日本の野球で一番遅れているのはデータ面。メジャーは10年以上前からデータの分析に基づいた戦略を立て、選手たちが理解した上で戦っている。(ロッテは)井口監督、吉井投手コーチがメジャーを経験している。専門の部署をつくってアナリストが分析し、データに基づく戦略を立てられるぐらいに強化したい。ただ、今のところノウハウがない。2、3年後に蓄積されて傾向と対策が絞り込まれる。全員に意識づけることが重要でデータ戦略をどう戦力にするかも課題。

 −昨季は観客動員の球団記録を更新。

 ロッテだけでなく球界全体で観客動員は上がっている。それは野球というスポーツ、エンターテインメントに対するお客さまの意識が変わってきているからだと思う。特に昨年のラグビーW杯が良い例だが、選手たちが高いレベルでパフォーマンスを示しているものはその場で見ることで、見ているだけでなく関わっている気持ちになる。この高揚感は他では得られない。もう一つは野球の見方自体が変わってきている。例えばディズニーランドに行った時にお土産を買わない人はほぼいないじゃないですか。でも球場って少し前まで野球を見に来る場所で、お土産を買うという発想はなかった。今はグループで来て、グッズを選んで買って、お店で何を食べるかが楽しみ。グループで野球を見ることを軸にした楽しみ方が広がっている。

 ただ、観客動員数は残念ながら12球団で最下位。課題は何かというと課題だらけ。一つの解決策として今年からチケット購入がスマホ決済できるようになる。従来は不特定多数を一気に集めるようなプロモーションしか提案できなかったが一人一人にいろんな情報を伝える手だてができた。

 −千葉県内への地域振興策やファン増の展望は。

 千葉をフランチャイズにするチームなので、どれだけ千葉のお客さまに来てもらえるか、地域に貢献できるかが一番重要になる。特に昨年は台風や豪雨もあった。選手たちの意識は高く、野球教室などいろんな形で貢献して根付いてきている。選手たちには敬意を払いたいし心強い。一方で潜在的にファンになっていただける人はまだ多いと思う。積極的にアプローチして、まず一度は球場に足を運んでファンになってもらいたい。県や千葉市だけでなく他の自治体と協力してファンを増やしたい。

◆かわい・かつみ 1952年5月27日生まれ。67歳。東京都世田谷区出身。慶大卒。鐘紡(現クラシエホールディングス)と博報堂を経て2004年にロッテ・アド入社。ロッテホールディングス取締役となり、18年2月から千葉ロッテのオーナー代行。昨年12月から球団社長と兼務する。