いすみ市の有機米生産団体「市環境保全型農業連絡部会」が、農林水産省主催の「未来につながる持続可能な農業推進コンクール」で最上位となる農林水産大臣賞を受賞した。市内小中学校の給食のご飯の全量供給や販路拡大が高評価された。

 コンクールは、持続可能な農業に意欲的に取り組む農業者などを表彰しようと毎年実施。全国から応募があり、学識経験者らが厳正な審査をした。

 同部会は2012年の設立でメンバーは25人。環境に優しい農業を目指し13年から約0・2ヘクタールの水田で無農薬無化学肥料の有機稲作を始めた。有識者のアドバイスを受けて徐々に作付面積を広げ、19年には約23ヘクタールに達した。

 生産量の増加を受け、15年から市内小中学校の給食へ約4トンを提供。18年から全量に当たる約42トンを賄うようになった。給食の残量は有機米を導入後に減ったという。

 販路については、地元のJAいすみが価格保証をした上で一括集荷。市と協力してブランド米として販路開拓や顧客管理を一元化している。さらに部会独自に大手総合スーパーや生協などへの販売に取り組み、都市部の住民を対象とした稲作体験を実施。交流人口の拡大や消費者との優良な関係構築にも尽力した。

 市役所で表彰状授与式が開かれた。同省生産局農業環境対策課の及川仁課長は、市内で有機稲作が短期間で広まったことをたたえ、「部会の取り組みが生物多様性に貢献できることを世界にアピールできれば」とあいさつ。同部会の矢沢喜久雄部会長は、「有機米産地として地位確立と生産者の経営改善に努めたい」と述べ、関係機関にさらなる支援を求めた。