新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、東京五輪は延期の公算が大きくなった。開催まで4カ月となった中での国際オリンピック委員会(IOC)の方針表明を受け23日、サーフィンなどの競技が行われ、聖火リレーのコースにもなっている千葉県内で波紋が広がった。「延期は仕方ない」と理解を示す声が上がる一方、選手を気遣ったり観光や聖火リレーへの影響を懸念する人もいた。

 五輪史上初めて競技に採用されたサーフィンの会場になっている一宮町。誘致活動に尽力してきた町サーフィン業組合の鵜沢清永組合長(44)は「各国でウイルス感染が広がっているので、ここまで来たら延期は仕方ないと思う」と話した。

 自身もサーファーの鵜沢組合長は「今夏に照準を合わせてきた選手のことを考えると気の毒。延期になったら選手は調整が大変だと思う」と指摘。町内で毎年8月上旬に開かれる花火大会は五輪の関係で今年は中止に。町観光協会長も務めており「1年延期になったら、来年も花火大会が開催できなくなる」と不安そうな様子だった。

 26日に福島県をスタートする聖火リレーは、7月に県内各地を巡る計画になっている。東日本大震災で被災した旭市飯岡地区で活動する団体会長で、聖火ランナーに選ばれている戸井穣さん(75)は「被災地を元気づけるために頑張ろうと決意している。感染拡大を巡る世界的状況を考えると延期・中止も仕方がないかもしれないが、もしそうなったら残念だ」と説明した。

 「世界の状況を考えると仕方ないが、7月にピークを持っていこうと体をつくっている選手を思うとかわいそう」。こう指摘するのは、1976年モントリオール五輪の女子バレーボールで金メダルを獲得した館山市の田村(旧姓前田)悦智子さん(68)。一方で「延期になった場合(白血病からの復帰を目指す)池江璃花子選手ら新たに出場チャンスをつかめる人も出てくる可能性がある。競技により対応も変わってくると思うので複雑な気持ち」と語った。

 聖火ランナーとして、台風被災地の南房総市を走ることが決まっている田村さん。「もし聖火リレーが延期になっても、かえって長くトレーニングが続けられるとポジティブに捉えたい。子どもたちに夢を与えられるような走りができたら」と話した。