新型コロナウイルス感染拡大予防で、マスク着用や距離を空けるなど学校内で生徒同士の会話が制限される中、千葉県の柏市教委は、道徳の時間に生徒が1人1台パソコンを使って意見交換する検証授業を酒井根中で公開した。

 従来の口頭でのグループトークに代わり、生徒は個別にパソコンに入力した文章をクラスメートと匿名で共有し、考えや議論を深める。自宅にいたり入院したりして教室にいない生徒も参加できるため、将来は不登校生徒との対話に活用することも見込んでいる。

 授業は1年生が対象でテーマは「SOSの出し方」。講師は、いじめを匿名で相談・報告できるアプリ「STOPit(ストップイット)」の国内販売会社長の谷山大三郎さんがリモートで務めた。

 生徒はネットいじめに関する映像教材を視聴後「悪口をやめるよう声を上げるか」について意見を入力。画面上で出席者37人の意見が匿名で一覧になり、使った単語ごとに分類された。

 パソコンを使った授業を体験した大和久結衣さん(12)は、多様な意見が分類され表示されることに「分かりやすい」と評価。「“自分の意見を口に出す”という私の考えと同じ意見があった」と話した。

 市教委によると、各学校では感染防止のため、授業でのグループ活動の制限や、文化祭など学校行事の中止で児童生徒の活躍の場が少なくなっている。

 ストレスをため込んだり、悩みや不安を外に出す機会が減ることへの懸念から、自分の考えを発信して他人と意見を交わし、SOSの出し方を学ぶ機会として、情報技術を活用した授業を展開することにした。市内の全21中学校で年内中に同様の取り組みを行う予定。