「生前整理」北陸でも浸透 大切な人に迷惑残さず

「生前整理」北陸でも浸透  大切な人に迷惑残さず

 故人が大切にしていた物の整理や空き家の片付けは、残された家族や親戚の重荷となりかねない。全国的に一人暮らしの高齢者が増える中、北陸地方でも元気なうちに身の回りの物を片付ける「生前整理」の動きが目立ってきた。思い出の物を片付けて終活を意識したり、売却して得たお金で旅行を楽しんだりする人もいるようだ。(中平雄大)
思い出の品 迷いながら選別
 金沢市の会社員北川晴喜さん(60)は還暦を機に古い写真を整理した。助言をしたのは介護タクシーや家事代行を手掛ける「暮らしサポートあゆーむ」(石川県能美市)代表の水上弘子さん(47)。水上さんは当時の思い出を尋ねながら一枚ずつ「いる」「いらない」と仕分け作業を手伝った。迷うものは別により分けた。
 二十年前に会社の研修旅行先の台湾で撮った数十枚のうち、最終的には写りの良い四枚だけを手元に残し、時期や場所、写っている人などのメモも添えた。水上さんによると、残した写真はお菓子の空き箱程度の大きさの「思い出箱」を作ったり、厳選した写真だけのアルバムを作ったりする方法もあるという。
 水上さんは介護タクシーなどの本来の事業をする中で「家族が亡くなったり、病気になったりした人から『片付けたい』との相談が増えた」ことから、二年前に事業の延長として生前整理の手伝いを始めた。今は石川県内を中心に継続案件も含めて年間二十〜三十件の片付けを手掛ける。親の遺品整理の相談も多いが、「自分の物が片付いてなければ同じ事の繰り返しになる」と依頼者に生前整理も勧めている。
 生前整理は物理的な身辺整理だけでなく、気持ちを整理して相続やお墓など自らの死後の問題に向き合うことを重点に置いている。親兄弟はいるが独身の北川さんも写真の整理を終えて、「残った人に迷惑をかけてはいけないと思った」としみじみと語った。
遺品整理が相談の半分
リサイクル業お盆後ピーク
 北陸三県で展開する買取専門リサイクルショップ「バイキング」(富山市)では年間千二百件の相談のうち、空き家の家財道具などの遺品整理が全体の約半分を占める。現場に立ち会う西嶋昭弘社長(42)は「お盆に親戚が集まった後の九〜十月がピーク。その時期になると、ほぼ毎日そうした要望がある」と話す。
 生前整理もかつてはわずか数%しかなかったが、この二、三年で全体の約一割を占めるように。「遺品整理が大変だと聞いて、自分の代で後始末をしないといけないと考える年配の人が増えている」と推測する。品物は古美術品や鉄道模型といったコレクション品が多く、大事にしてくれる人に渡したいと依頼してくるという。
 生前整理の場合、遺品整理よりも高く買い取ってもらえる可能性も。「大事にしていた本人から譲り受けると思いも引き継ぐし、買った値段も分かる」。処分で得たお金で食事をしたり、旅行をしたりと家族の大切な思い出の一つとして使う人も多いという。
 西嶋さんは「話を聞いた上で、お金になりやすい時期などプロとしてのアドバイスはできる。生前整理は本人が納得できるかできないか。決断することが大事」と話している。

スゴ得でもっと読む

スゴ得とは?

関連記事

おすすめ情報

中日新聞プラスの他の記事もみる

東海/北陸の主要なニュース

石川のニュースランキング

ランキングの続きを見る

地域の新着ニュース

新着ニュース一覧へ

人気記事ランキング

ランキングの続きを見る

東京の新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る

地域のニュースを見る

地域を選択してください

戻る都道府県を選択してください

記事検索