観光客減、県が歯止めへ本腰 中部山岳国立公園

観光客減、県が歯止めへ本腰  中部山岳国立公園

 伝統的な町並みやアニメ効果で飛騨地域の人気が高まる一方、乗鞍岳などの北アルプスを中心とした中部山岳国立公園を訪れる人の減少傾向が続いている。ツアーバスの規制強化やPR不足が要因とみられ、県は七月末、「県中部山岳国立公園活性化基本構想」を策定し、本格的なてこ入れに乗り出した。「一級品の自然の魅力を知ってほしい」と、環境保全と活用の両立を目指している。
 県によると、高山市の奥飛騨温泉郷には露天風呂が約四百カ所以上あり、日本で最も多いとされる。標高二、七〇二メートルの乗鞍畳平は、バスで行ける国内で最も標高が高い場所。貴重な動植物が生息する自然や、朴葉みそなどの独特な食文化を誇る。
 二〇一〇年に同公園の県側を訪れた観光客は百二十七万九千人だったが、一五年には九十五万六千人に落ち込んだ。県環境企画課の担当者は、要因の一つとして一二年の高速バス事故を受けた、ツアーバスの規制強化を挙げる。安全対策の基準が上がり、ツアー価格が上昇した影響が大きいという。
 自然と観光客を結び付ける施設の整備も滞っている。「飛騨・北アルプス自然文化センター」(高山市)は老朽化が進み、今年四月から休館。山の自然を紹介する展示物は、昭和末期に作られたままで更新が求められ、内装の修繕も急務だ。
 地元からの声を受け、県は今春、県内外の観光や行政関係者らを委員として、同公園の活性化懇談会を立ち上げた。「質の高いガイドの育成が必要」「雨の日の楽しみ作りを」といった意見をまとめ、七月末に活性化基本構想を策定。「誰でも体験できる三千メートル級の高山帯、飛騨人(びと)のもてなしと露天風呂めぐり」と銘打ち、山と街の魅力を丸ごとアピールする効果的な告知方法や、ガイドツアーなどを検討している。年内に県が基本計画を定め、来年以降に実行に移す。
 七日には環境省が同公園を、訪日外国人誘客の先行モデルに準ずる公園に、位置付ける方針を決めた。県の担当者は「施設整備などで国から支援を受けやすくなる。隣接する長野県とも連携し、取り組みの追い風にしたい」と期待を寄せている。

 (兼村優希)
 <中部山岳国立公園> 1934(昭和9)年に初めて認定された国立公園の一つ。北アルプスを中心に岐阜、長野、富山、新潟の4県にまたがり、標高3000メートル級の山々で構成する。約17万4000ヘクタールのうち、岐阜県側は高山市や飛騨市の約2万4000ヘクタール。

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